遺留分侵害額請求権を現金以外で精算!相続税と譲渡所得税かかるで!
遺留分の精算として、金銭を渡すように言われているんだけど、精算できるだけの金銭がありません。代わりに不動産を渡してもいいですか?
こんにちは、円満相続税理士法人の橘です。
2019年7月に民法が改正され、遺留分の精算は原則として金銭で行うこととされました。
しかしながら、亡くなった方の遺産のほとんどが不動産である場合などには、遺留分を請求された人は、金銭で精算を行うことができません。
その場合、両者の合意があれば、遺留分を金銭以外の財産で行うこともOKです。
しかし、金銭以外の財産で遺留分の精算を行った場合には、その精算に使った財産は売却したものとみなされて、所得税の対象になってしまうのです。
今回の記事では、これまで通算500件以上の相続税申告を作ってきた私が、遺留分侵害額請求の税務的な注意点を、解説していきます。
最後までお読みいただければ、所得税が課税されない、遺留分の精算方法がわかりますよ♪

円満相続税理士法人 代表税理士
『最高の相続税対策は円満な家族関係を構築すること』がモットー。日本一売れた相続本『ぶっちゃけ相続』シリーズ25万部の著者。YouTubeチャンネル登録者22万人。
目次
遺留分とは
遺留分とは、相続人の生活を保障するために最低限の金額は必ず相続できるようになっている権利のことをいいます。
極端な例で、
私の遺産は全て愛人に残します
と遺言に残したとしても、遺留分によって、最低限の金額は相続できるというわけです。
全体の財産が2億円であれば、息子は4分の1である5000万を貰うことができます。
息子は、姉に対して『遺留分よこせ』と言いました。
そうすると、法律的には、この時点で預金2500万(4分の1)と土地4分の1が、息子のものになります。4分の1という割合は、全ての財産に均等に効力が及ぶのです。
先ほどのケースでもう一度考えてみましょう。お姉さんが渡した5000万円分の土地は、昔、お父さんが1000万で購入してきたものだったとしましょう。
そうすると、お姉さんは弟に対して、5000万円で土地を売却したものと扱うので、(5000万-1000万)×20%=800万の税金が発生します。
ただでさえ、お金がないから現物で精算しようと思っているの、泣きっ面に蜂です!
しかも、上がるのは税金だけではありません。社会保険料も上がります。夫の扶養からも外れます。高齢な方であれば医療費の負担も上がるかもしれません。
また、財産を貰った側にも、不動産取得税(固定資産税評価額の3~4%)や登録免許税(2%)が発生します。
普通に相続していれば、不動産取得税は非課税、登録免許税は0.4%で済むので、雲泥の差ですね。流通税って意外と高いんですよ。
2019年7月以降の相続に適用
上記の取扱いは、2019年7月以降に発生した相続に適用されます。
それ以前に発生した相続について、2019年7月以降に遺留分の精算をする場合には、旧法の取扱いが適用されます。
まとめ
このような税務上の取扱いは、2019年6月まではありませんでした。
なぜなら、現物は当然に共有状態になるので、売却したとは考えないからです。今回の民法改正で、法律的にはさっぱりするようになりましたが、税務上は、なかなか大変な取り扱いになってしまいましたね。
金銭で精算する場合には問題ありませんが、現物で精算する場合には細心の注意が必要です。知らないと、普通に確定申告をスルーしてしまいそうですね。その場合には、罰金もつきますので、泣きっ面に蜂×2ですね。
このことを踏まえると、遺留分の精算が現物になりそうなのが分かった時点で、遺産分割協議(みんなの話し合いで財産をわけること)に切り替えるべきでしょう。
遺言書があっても、相続人全員の同意があれば、遺産分割協議に切り替えることは法律上可能です。
ただ、不動産の登記などを済ませてしまうと、そこから切り替えることはできないので、早めに対策を講じておきましょう。
参考までに、相続させたくない相続人の遺留分を減らす方法を紹介した記事があるので、ご興味ある方はどうぞ⇩
最後までお読みいただき、ありがとうございました♪
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