【非上場株式の相続税評価】純資産価額方式をわかりやすく解説したよ
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会社のBSのうち、土地や建物は、帳簿価額を相続税評価額に修正します。その結果、帳簿価額よりも大きくなる会社もあれば、小さくなる会社もあります。現時点での実態にかなり近づくことになりますね。
不動産以外にも、時価に変換しなければいけないものがあります。
それは、保険積立金です。法人契約で生命保険に加入している社長さんも多いと思いますが、支払った保険料のうち、損金に算入されない部分は、BSに保険積立金として記載されます。
この金額を、もし今、その保険を解約したら、いくらの解約返戻金がもらえるか?という金額に変換しなければいけないのです。
余談ですが、法人で生命保険に加入すると節税になってお得と思っている社長さんがたくさんいますが・・・
実はそれ、嘘です。節税になっていません。その理由を知りたい方はこちらのブログを読んでくださいね。
騙されないで!法人契約の生命保険に節税の効果は一切ない
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円満相続税理士法人 代表税理士
『最高の相続税対策は円満な家族関係を構築すること』がモットー。日本一売れた相続本『ぶっちゃけ相続』シリーズ25万部の著者。YouTubeチャンネル登録者22万人。
目次
子会社株式(投資有価証券)がある場合
他にも、会社が他の会社の株式や投資信託などを持っている場合にも、これを時価に変換してあげる必要があります。投資用として持っている上場株式は楽です。インターネットで時価は簡単に調べることができるので。
時価への変換が大変なのは、子会社株式などの上場していない会社の株式(投資有価証券)です。帳簿価額には、子会社株式は、取得した時の金額しか書かれていません。出資して株式を取得した場合には、出資した金額。買収(M&A)してきた場合には、買収した金額が記載されています。
この帳簿価額を、現時点の時価にしなければいけないのですが、この評価額を計算するために、今やっている純資産価額方式ですとか、類似業種比準価額方式などを駆使して、子会社の株式の相続税評価額を計算しなければならないのです。
つまり、子会社があるような会社の相続税評価額を計算するためには、先に、子会社の株式の相続税評価額を計算しないといけないのです!これは中々大変です。孫会社なんてある場合にはさらに大変です。

他にも細かい論点をあげるときりがありませんのでこの辺で止めておきますが、このようにして会社の時価(相続税評価額)による貸借対照表を作り上げるのです。
BSを比較して含み益があるかチェック
2つの貸借対照表ができましたら、この2つのBSを比較します。
例えば、帳簿価額によるBSと相続税評価額によるBSを比べて、帳簿価額の方が大きい場合には、どのようなことが言えるでしょうか?

このような場合には、会社の時価は帳簿価額よりも低いということになりますので、もし財産を売却したとしても儲けはでないということになります。つまり含み益ではなく、含み損がある状態となります。含み益がないということは、それに対する法人税も当然ありません。
法人税が発生しないということは、株主に返ってくる金額は、時価による貸借対照表の純資産価額と一致します。そのため、時価による純資産価額が、そのまま株式の評価額となります。

では次に、2つのBSを比べると、相続税評価額によるBSの方が大きくなったとします。この場合にはどのようなことがいえるでしょうか?

今度は先ほどと逆になります。帳簿価額より時価の方が大きいということは、もし、会社の財産を売却した場合には儲けがでるということになります。つまり含み益を抱えている状態となります。含み益があるなら、それに対する法人税を払わなければいけません。

含み益に対する法人税を払う必要があるということを踏まえて、株主に返ってくる金額を考えてみましょう。
株主に返ってくる金額は、会社の時価による純資産価額から、含み益に対する法人税を引いた、残りの金額ということになります。この金額が株式の相続税評価額ということになります。

以上が、純資産価額方式の具体的な計算方法でした。
1株当たりの純資産価額(相続税評価額)の計算明細書
実際には、次のような計算表を使って計算していきます。BSの資産の部と負債の部に、それぞれ相続税評価額を記載する欄と、帳簿価額を記載する欄があり、2種類のBSを作っていきます。

法人税等相当額の37%控除
含み益に対する法人税の金額は、次の算式により計算することとされています。
(時価による純資産価額―帳簿価額による純資産価額)×37%
37%という割合は、法人税や事業税、地方法人特別税など全てひっくるめた割合です。法人税率が改正されると、ここのパーセンテージも改正されます。一昔前は42%控除でした。
この金額の正式名称は、「評価差額に対する法人税等相当額」というのですが、私たち税理士業界の業界用語では、37%控除と呼んでいます。
実は、この37%控除という計算方法は、納税者にとって非常に有利な取り扱いなのです。
純資産価額方式は、「仮に会社を解散させたらいくらの財産が株主に返ってくるか」という考え方を基本としています。確かに、財産価値を測るには、合理的な方法だと思います。
しかしですよ?
実際に会社を解散させるわけではないじゃないですか。
実際に会社を解散させるわけでもないのに、解散した場合に発生する法人税を払ったものとみなして、その分低い評価額で株式を計算することが認められているのです。
その分、事業用の資産を個人事業主として持っていた場合より、会社として持っていた方が、含み益の37%分を控除してもらえるため、得をすることになります。

計算結果がマイナスになった場合
純資産価額方式により計算した結果、相続税評価額ベースの資産の金額より、負債の金額が大きなるような場合には、純資産価額はマイナスになります。時価に変換すると債務超過状態になっているというケースです。
この場合には、株式の相続税評価額は0円になります。
株式の評価は、大会社の場合には、純資産価額方式か類似業種比準価額方式のどちらか好きな方を、それ以外の会社は、純資産価額方式か折衷方式の好きな方を選択することができます。

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このことから、純資産価額方式で計算した結果、評価額が0円となった場合には、類似業種比準価額方式で計算した株価がプラスになった場合でも、評価額を0円としていいのです。
ただ、これがお得なのかというと、ちょっと微妙です。
もし、あなたの会社が100万円の債務超過であったとしても、株価は0円。あなたの会社が10億円の債務超過であったとしても株価は0円で評価されます。株価は0円以下にはならないのです。
もし、あなたが10億円の債務超過会社の株式と、5億円の個人資産(土地や預金など)を持っている場合には、株式はあくまで0円で評価されるだけなので、5億円の個人資産に対して相続税が課税されることになります。個人資産に抵当権などがついていても、実際に会社が債務不履行になり、抵当権を実行されない限りは、個人の債務扱いにはならないので、マイナスが取れないのです。
もしも、そのような状況にあるなら早めに債務を整理した方がいいです。個人資産から補填をしなければいけないなら、相続が発生する前にやった方がいいですよね。
まとめ
純資産価額方式の計算のイメージはつかめましたでしょうか?
会社の時価による純資産価額から、含み益に対する法人税を引けばいいんでしたね。含み益がない会社であれば、時価純資産がそのまま評価額になります。
他にも細かい注意点はあるのですが、今回の記事では純資産価額方式のイメージがつかめればOKだと思います!
会社を解散させる時のプロセスが、そのまま純資産価額方式の計算方法となります。
会社を解散させた場合に株主に返ってくる金額とは、会社の純資産価額(借入を返済した後の金額)から、含み益に対する法人税を納めた後の金額ということになります。この金額が、純資産価額方式により計算した株式の相続税評価額になります。
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