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  • 相続税の基礎控除はいくら?2022年以降に引下げ?改正の歴史や理由解説

こんにちは!相続専門税理士の橘です。

今回は、相続税の基本中の基本である、基礎控除について解説をしていきます。

そもそも、相続税は誰にでもかかる税金ではなく、一定の金額以上の財産を残して亡くなった人にだけかかる税金です。そして、この一定の金額のことを基礎控除といいます。

この記事は5分くらいで読めるので、まずは相続税の全体像を、ふんわりと抑えてもらえれば幸いです。

超簡単!相続税の計算方法

【ステップ1】遺産を、亡くなった日における時価で円換算

ここに、父、母、長男、長女の4人家族がいたとします。

そしてこの度、お父様に相続が発生してしまったとします。今から、このお父様の相続税を計算していきますが、まず初めにやっていただくことは、お父様が残した遺産を、亡くなった日における時価で円換算していきます。

亡くなった日における時価で円換算

遺産の評価額(時価)については、ざっくりいうと「換金したらいくらになるか?」と考えてください。預金や株式は、亡くなった日の残高で計算すればOKですが、不動産の評価額を計算するのは、少し大変です。詳しく知りたい方は、次のブログをご覧ください。

遺産の時価の円換算ができましたら、それを集計していきましょう。一つの箱に全て集めていくようなイメージです。

相続税基礎控除(一つの箱に集計)

【ステップ2】基礎控除を引く

時価の合計額が算定できたら、次のステップに移ります。次のステップは、先ほど集計した遺産のボックスに一本の線を引いていきます。

相続税基礎控除(一本の線)

この線はなにかというと、これこそが基礎控除です。

相続税基礎控除

相続税は、遺産の合計額のうち、基礎控除までの金額にはかからず、基礎控除を超えた部分に課税されます。

そのことから、遺産が全て基礎控除に収まる人については、相続税は一切かからないということになります。この場合には、税務署へ申告する必要もありません。

基礎控除の金額は次の計算式で計算します。

3000万+(600万×法定相続人の数)

例えば相続人が3人の場合、基礎控除額は、3000万+(3人×600万)=4800万となります。

相続人が2人の場合には、3000万+(2人×600万)=4200万です。

3000万+2人×600万

【参考】法定相続人はだれがなるの?

誰が相続人になるのか、わかりません

法定相続人は、相続が発生した時点の家族構成で決まります。

法定相続人の範囲

配偶者は必ず相続人

子がいる場合は、子が相続人【第1順位】

子がいない場合は、直系尊属(両親)が相続人【第2順位】

子も直系尊属もいない場合は兄弟姉妹が相続人【第3順位】

さらに詳しくは、こちらのブログ記事で解説しています。

【ステップ3】税率をかけて相続税を計算

遺産の合計額から基礎控除を引いた金額が、相続税の対象になります。

そこに相続税の税率をかけて、相続税の金額を計算します。

ただ、ダイレクトに税率をかけるのではなく、ワンステップ、ややこしい計算プロセスが必要になります。ご興味ある方はこちらをお読みください。

相続税が課税されるのは100人中8人だけ

相続税は、基礎控除を超える金額の財産がある人にしか課税されません。

それでは、仮に、日本全国で人が100人亡くなった時に、どれくらいの人に相続税が課税されているかというと、答えは約8人です。

令和元年 相続税申告事績
国税庁ホームページ(令和元年分相続税の申告事績の概要)

地域別の相続税課税割合

意外と少ないですね

と、おっしゃる方が多いのですが、日本全国の割合は約8%ですが、相続税はお住まいの地域によって、かかる人の割合が大きく異なります。

相続税課税割合地域別

東京都23区にお住まいの人だと、100人中20人近くの人に相続税がかかっているという話もあります。

基礎控除は超えるが、相続税0円の人を含めると10.7%

先ほどの、相続税の課税割合8.3%というのは、相続税を実際に払った人の割合です。

詳しくは別の記事で紹介しますが、相続税には様々な特例があり、基礎控除は超えるものの、その特例が使えれば、結果として相続税が0円になる方もたくさんいます。

特例を使うためには、相続税が0円であっても、相続税申告をすることが義務付けられています。

そういった理由で申告した方は、先ほどの表の『外32,534』と記載されています。

こういった方を含めると、全体の10.7%の人が相続税の申告をしていることになりますね。

相続税が0円でも必ず申告が必要になる2つの特例

小規模宅地等の評価減

これは、『亡くなった人が自宅として使っていた土地は、配偶者か、亡くなった人と同居していた親族が相続する場合には、8割引きの評価額で相続税を計算して良いですよ』という特例です。

小規模宅地等の特例を使うと、遺産の合計額は基礎控除は超えるものの、結果として相続税が0円になる、という現象がよく発生します。

ただ、この場合、相続税は0円であっても、相続税申告は必ずしないといけません。申告しないままだと、小規模宅地等の特例は使えなくなりますので注意しましょう。

配偶者の税額軽減

これは、『夫婦間で相続する場合は、最低でも1億6000万円まで相続税を課税しませんよ』という特例です。

この配偶者の税額軽減という特例を使った結果、相続税が0円になったとしても、必ず相続税申告が必要になりますので、注意ですね。

基礎控除額の税制改正の歴史と理由

2015年に大幅な引下げ改正(相続大増税時代へ)

2014年12月31日(平成26年)まで相続税の基礎控除額は、

5000万+法定相続人の数×1000万

という算式で計算されていました。それが税制改正され、2015年1月1日以降の基礎控除額は、

3000万+法定相続人の数×600万

と、なんと40%もカットされてしまったのです!

この影響として、相続税の申告が必要になる方が、2倍にも増えたのです!

相続税基礎控除税制改正

平成26年から平成27年にかけて、課税対象被相続人数が約2倍になっているのがわかると思います。

それまでは一部の富裕層にしか関係なかった相続税が、より一層身近なものになった瞬間でした。

基礎控除額をカットした理由(建前)

平成27年の税制改正の大義名分は、

基礎控除額を下げるのではなく、元の水準に戻すだけなんです!

というものでした。

相続税の基礎控除額の歴史を辿っていくと、昭和63年より前の金額は

2000万+法定相続人の数×400万

と、今よりも少ない金額でした。

バブル景気によって地価が急上昇したため、それに合わせる形で基礎控除が引き上げられ、平成6年以降は

5000万+法定相続人の数×1000万

という形で落ち着くことになりました。

その後、時は経ち、2012年から始まったアベノミクスによって景気が回復しました。これを受けて、

そろそろ、元の水準に戻しましょうね~

ということで、2015年に、

3000万+法定相続人の数×600万

に基礎控除額を引き下げたのです。

2015年改正時の財務省のコメントは次の通り。

相続税の基礎控除は、バブル期の地価の高騰等に伴い引き上げられてきましたが、その後の地価の下落にもかかわらず、基礎控除の水準は据え置かれ、また、相続税の税率構造は緩和されてきたため、相続税の負担は以前に比べ大幅に緩和され、その資産再分配機能は低下していました。
 こうした状況を踏まえ、平成25年度改正において、資産再分配機能を回復させるため、基礎控除の引下げ、税率構造の見直しが行われ、平成27年1月から実施されています。by財務省

相続税・基礎控除額の歴史

相続税基礎控除歴史
出典:財務省ホームページ

2022年(令和4年)以降さらなる引下げ税制改正の可能性あり

元の水準に戻すなら、『2000万+法定相続人の数×400万』まで下げる可能性もあるってことですか?

その可能性は十分あります。消費税も5%から8%、8%から10%というように、段階的な増税が行われました。増税するときは、段階的に行うのが常なので、基礎控除も段階的に引き下げるつもりかもしれません

相続税の基礎控除と生命保険金の非課税枠

生命保険金の控除は、最も簡単にできる相続税対策

相続に際して支払われる生命保険金も、相続税の対象として課税されます。

しかし、生命保険金は次の金額までは非課税とされているのです。

500万×法定相続人の数

例えば、相続人が3人いる場合は、500万×3人=1500万まで生命保険金は非課税となります。

預金として遺産を残せば相続税の対象となるものが、生命保険という形に変えるだけで非課税となりますので、とてもお得な制度です。

この仕組みを使い、相続税の基礎控除額に生命保険の非課税枠も足せば、より多くの金額を非課税にすることができますね。

生命保険非課税枠

生命保険金の非課税枠を使い、基礎控除額を下回れば申告不要

例えば、相続人が3人おり、遺産が6000万ある人の場合には、基礎控除は4800万なので、相続税の申告が必要になります。

しかし、もしこの人が1500万分の生命保険に加入していた場合には、同じ6000万の財産でも1500万までは非課税となり、課税の対象は4500万になります。結果として基礎控除4800万を下回りました。この場合、相続税の申告は不要です。

先ほど紹介した、小規模宅地等の特例や配偶者の税額軽減と異なり、生命保険金の非課税枠を使って基礎控除以下となった場合には、相続税の申告義務はありません。こういった意味でも、とても便利なので、オススメです。

生命保険金の受取人によって、相続税の負担が変わる

生命保険金の非課税枠は、誰を受取人するかによって、相続税が安くなる場合と、高くなる場合が存在します。

ポイントは、生命保険金が非課税になるのは、受取人が相続人である場合に限定されていることです。

例えば、相続人でない孫が受取人となっているような場合は、非課税なりませんので、ご注意ください。詳しくはこちらの記事で解説しました。

まとめ

相続税は一定の金額以上の財産をもった人にだけ課税される税金です。その一定の金額のことを基礎控除と言います。

基礎控除の金額は、3000万 + (600万×法定相続人の数)という算式で計算します。

まずは、これを知っていただければ相続税の基本のキは押さえたことになります。この調子で相続税を楽しく学んでいきましょう♪

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