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  • 相続税の税務調査の時期と質問事項7選!通帳はどこまで調べるか税理士が解説

【この記事の執筆者】橘 慶太

相続税の研究を愛する相続専門の税理士。23歳で税理士試験に合格し、国内最大手の税理士法人で修行を積んだのちに独立。円満相続税理士法人の代表を務める。

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こんにちは、円満相続税理士法人の橘です。

私はこれまで相続専門の税理士として通算30件近くの相続税の税務調査に立ち会ってきました。その実際の経験を基に、相続税の税務調査の実態をお話していきますね。

申告書を提出してから1年後か2年後の7月中旬が危ない

相続税の税務調査は、相続税の申告書を提出してから1年後か2年後の夏に行われることが最も多いです。より具体的に言えば、毎年7月10日前後に税理士宛に『税務調査を実施するので、日程調整をお願いします』と連絡が来ます。もちろん税理士を付けずに申告した方は、直接、納税者へ連絡がいきます。

国税局は、毎年7月1日からが新年度になり、配置換えもこのタイミングで行われます。調査官たちは、追徴課税する税額にノルマは課せられていませんが、1年間に行うべき調査の件数にはノルマがあるようで、新年度になり、心機一転、税務調査を頑張ろうという訳です。そのような背景があるので、毎年7月には税務調査の連絡が多くなります。また、この7月に行う調査では、予め税務署独自のデータベースにより、追徴課税ができる見込みの高い人への調査が実施されます。この時期に調査依頼が来た方は、何かしら申告漏れがある可能性が高いです。

相続税の税務調査で質問されること7選

相続税の税務調査では、『これって税金に関係あるの?』と疑問に思ってしまうような質問をたくさんされます。ただ、これは全て相続税に関係のある質問です。一つずつ解説していきます。

  • 亡くなった方と、相続人の生い立ち

生まれから、学生時代、初めての就職から定年退職、そして老後の生活まで、故人の過去の生い立ちについて質問されます。ポイントは、亡くなった方だけでなく、相続人の生い立ち(特に配偶者)も質問されます。税務調査は朝10時から16時頃まで行うのが一般的ですが、この生い立ちの質問だけで午前中を使い切ることが多いです。

調査官は、生い立ちを聞きながら、年表を作っていきます。これが、後々の質問で矛盾した回答をできなくするための外堀となっていきます。また、この時に、亡くなった方と相続人が、どの地域に住んでいたのかを把握し、銀行口座を隠していないかの調査に使っていくことになります。2021年現在では、税務署としても、誰がどの銀行に口座を持っているかを、すべて一元管理はできていないようです。地域で辺りをつけ、片っ端から照会をかけているそうです。

  • 亡くなる直前の状況

人の最期の瞬間の状況は、本当に様々です。病室で家族に見守られながら息を引き取る方もいれば、昨日まで元気だったのに朝起きたら布団の中で冷たくなっていた方もいます。調査官は、故人が最期の瞬間をどのように迎えたかを根掘り葉掘り質問してきます。その質問に答える遺族の方は、当時を思い出し、感極まって泣いてしまう方もいらっしゃいます。ただ、これはあくまで税務調査。この質問も、相続税の追徴課税に繋がる布石として行われています。

この質問は、相続開始直前に引き出した現金の使い道を明確にすることや、直前に行われた生前贈与の有効性を判断するために行われます。例えば、長年に渡り寝たきり状態が続いた方が亡くなった場合、その寝たきり状態だった期間中に、その方の通帳から現金引き出しがあれば、それは亡くなった本人が行ったものではなく、通帳を管理していた家族が行ったものということになります。そのため、その現金の使い道について、相続人が『わからない』ということはできません。他にも、亡くなる直前の昏睡状態の期間中に、本人から親族へ110万のお金の振込が合った場合にも、昏睡状態の中で『贈与する』という意思表示はできないため、贈与の実態がなかったと認定されます。税務署から贈与と認められるためには、『あげた・もらったの約束』ができていたことが要件になります。この辺りは『ぶっちゃけ相続』をご参照ください。

  • 亡くなった方の趣味

税務調査では亡くなった方の趣味について質問されます。それぞれの答えにつき、下記の財産の申告漏れが疑われます。

ゴルフ➡ゴルフ会員権の申告漏れはないか

海外旅行➡外国に申告していない預金口座等はないか

絵画や骨董品➡適正な評価額で申告しているか

  • ギャンブルは好きだったか

過去の預金通帳から多額の不明出金があった場合に、『ギャンブルで使った』という言い逃れをできなくさせるための質問です。

  • 貸金庫の中を一緒に確認する

亡くなった方や相続人が貸金庫を契約している場合には、必ず、調査官と一緒に銀行まで足を運び、中身の確認を行います。なお、貸金庫の開扉記録を調査官は見ることができるため、税務調査の直前に開扉している場合には、その理由ついて深く追及されることになります。

  • 故人の手帳や日記帳のようなものはないか

例えば、子供名義の銀行口座から現金引き出しが行われた日に、故人の手帳から、故人がその日、その銀行に行っていた形跡があった場合、その現金引き出しを行ったのは、子供ではなく故人であったと推測されます。子供名義の通帳であるのに、管理は故人が行っていたとしたら、その通帳の預金は、故人の物であったと認定される可能性があります。

  • 印鑑の印影

税務調査が行われると、『今、この家にある全ての印鑑を出してもらえますか?』と言われます。指示に従い、印鑑を渡すと、調査官は『印影を頂きますね』といいながら、印影を取っていきます。その時、最初の一回目は、朱肉を使わずに印影を取ります。おっちょこちょいな調査官なのかと思いきや、これはあえてそのようにしています。朱肉を使わずに印影が取れた場合、その印鑑は最近使用したと推定されます。税務調査は、実際に相続が発生してから2年後くらいに行われます。亡くなった方の実印は、基本的に、亡くなった後に使う機会はなくなるはずです。それにも関わらず、亡くなった故人の実印が最近使われたというのは、契約書のバックデイト等の疑いが浮上します。バックデイトとは、過去から契約書が存在するように見せかけて、本当は日付を遡って契約書を作成するという文書偽装行為です。過去から贈与契約ができていたと見せかけるために、税務調査直前に贈与契約書を偽装する人がいるので、このような調査が行われます。

預金通帳は過去10年分調べられます

相続税の税務調査では、故人の過去10年分の通帳が調べられます。何故10年なのかというと、銀行に保存されている記録が過去10年分しかないからです。通帳をすでに処分してしまった方でも、銀行に行けば10年分は遡れるので、調査官達は、がんがん遡ります。また、故人の通帳だけでなく、相続人の通帳も調査の対象となります。プライバシーなどお構いなしです。

なお、10年分は見られるものの、重要度は相続開始日に近ければ近いほど高くなり、10年前の入出金については重要度は低くなります。故人が10年前に引き出した現金の使い道などは、正確に答えられる人の方が珍しいですからね。相続開始直前であれば、そもそも故人の通帳を家族が管理していることも多いので、使い道を明確しやすいのです。

調査官は、既に知っていることも質問する

事前に調べており調査官が知っていることでも、知らないふりをして質問してきます。これは、調査を受けている相続人が嘘をつく人なのかどうかを調べるために行います。調査官に嘘をつくような人は、重加算税という非常に重いペナルティが課されるので、そういったことは絶対にしないようにしましょう。

まとめ

相続税の税務調査は、世の中の方が考えている以上に厳しいものです。それは調査官の口調や態度が厳しいという意味ではなく、国税局の調査能力が凄まじいという意味です。

よく、『税務調査はお金持ちにしか関係ない』と思っている方がいますが、それは間違いです。税務調査に選ばれる人は、嘘の申告をした人、または申告が必要なのに申告しなかった人です。お金持ちの人でも、全て包み隠さず適正な申告をしている人には税務調査は入りません。一方で、基礎控除を超えるか超えないかくらいの方でも、不誠実に財産を隠そうとする方には税務調査が入ります。『現金で隠せば、税務署もわかりっこないだろ』と考えている方は、国税局の力を甘く見ています。大事な家族に怖い思いをさせないためにも、正攻法で相続税対策をやっていきましょう。税務調査の裏話をたくさん盛り込んだ無料のメールマガジンを配信しています。是非、ご登録ください!最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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