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  • 相続税の計算方法!わかりやすい計算例を使って自分で仕方を覚えよう

こんにちは。相続税専門の税理士の橘です。

相続税の計算って難しそう…

そう思われる方が多いのですが、正直なことをお話しすると、相続税の計算は難しくありません

今回ご紹介する、相続税の計算の流れを知っていただければ、多くの人が自分で相続税を計算できると思います。

自分で相続税の計算ができるようになると、自ずと、相続税対策のやり方もわかってきます。

現在、様々な業者が「相続税対策になりますよ~」と言って、不動産や生命保険を勧めてきますが、必ずしもそれが正しい相続税対策になっているとは限りません。

あなたの資産を守るためにも、まずは相続税の計算の流れを勉強していきましょう!

相続税の計算方法

【ステップ1】遺産の合計額から基礎控除額を引く

相続税は、ある一定額以上の遺産を残して亡くなった人にかかる税金です。

この一定額のことを、基礎控除(きそこうじょ)と言います。

この基礎控除の金額は次の式で計算します。

3000万円+600万×法定相続人の数

この式だけだとわかりづらいと思いますので、例を挙げます。

相続税の基礎控除

例えば、父と母と子供2人の合計4人の家族がいたとします。このご家族の中のお父様が、この度、お亡くなりになってしまいました。

この場合、お父様の相続人は誰になるかというと・・・

母と子供2人です。つまり相続人の人数は3人です。

このことを踏まえて、先ほどの基礎控除を改めて考えてみましょう。

3000万+600万×法定相続人の数(3人)=4800万

相続税(基礎控除)4800万

それでは、もし、次に残されたお母様が亡くなってしまった場合には、基礎控除額はいくらになりますか?

法定相続人二人(相続税の基礎控除)

3000万+2人×600万=4200万

今度は4200万が基礎控除額となります。

先ほどのお父様の時(一次相続)と比べると、基礎控除が600万円少なくなっています。法定相続人の数が一人減っているので、その分、基礎控除の金額も少なくなってしまうのですね。

亡くなった人が残した遺産の合計額が基礎控除を超えない場合には、相続税はかかりません。この場合は、税務署に申告しなくてOKです。

ちなみに、基礎控除額は平成27年(2015年)に大幅に縮小され、相続税は大増税されました。基礎控除の税制改正の歴史についてまとめた記事がありますので、ご興味ある方は、是非、ご覧ください。

【ステップ2】法定相続分で遺産額を振り分ける

いよいよ相続税を計算していきましょう。

まずは、遺産額から、基礎控除額を引きます。

そして、その残った金額に、相続税の税率をかけていくのかと思いきや…

実は、そうではないのです。

ここが、相続税の計算で、最も難しいポイントなのですが、

基礎控除を引いた金額を、各相続人が、仮に法定相続分で相続したものとして、遺産を振り分けていきます。


例えば、相続人は、妻と長男と長女の3人。

そして、基礎控除を引いて、残った金額が1億円だったとします。

その場合、妻の法定相続分は2分の1ですので、5000万を振り分け、子供達はそれぞれ4分の1ずつなので、2500万ずつを振り分けていきます。

相続税の計算(法定相続分に配分)

法定相続分について確認したい方はこちらの記事をご覧ください。

【ステップ3】相続税の税率をかける

そして、この振り分けられた金額に、相続税の税率をかけて計算していきます。

相続税の税率表は、次の通りです。

相続税計算(税率)

法定相続分によって振り分けた金額に税率をかけて、その後に控除額を引きます。

このように計算すると、妻の税額が800万円、子供たちがそれぞれ325万円となりました。

税率の隣にある、控除額って何ですか?

これは、相続税の計算を楽にするための便利機能で、深い意味はありません。気になる方はこちらのブログをお読みください(飛ばして問題ありません)

【ステップ4】合計して家族全体の相続税を計算

次に、この三人の税金を合計します。

この合計された金額が、家族全体の相続税となります。

800万+325万+325万=1450万

この1450万円が、ご家族全体での相続税額になります!

このようにして、まずはご家族全体での相続税の金額を決定させます。

【ステップ5】実際に相続した割合で振り分け

そして、ご家族全体の相続税額を、今度は、各相続人が、実際に相続した割合に基づいて、相続税を振り分けていきます。

例えば、3人での話し合いの結果「遺産は3分の1ずつわけましょう」と相続人全員が同意したとします。

この場合には、先ほど計算した相続税1450万円を妻と長男、長女にそれぞれ3分の1ずつ振り分けていきます。

相続税の計算

そうすると、それぞれ割り振られる税額は483万円ずつになります。この金額をそれぞれの相続人が納税するという流れになります。

では、例えば、3人での話し合いの結果、「母と長女で2分の1ずつ分ける。長男は相続しない」と決まった場合はどうなるでしょう?

相続税計算(納税額)

この場合には、家族全体の相続税1450万円を、お母さんと長女で2分の1ずつ負担することになります。財産を相続しなかった長男に相続税の負担は発生しないことになります。※遺産を相続しない長男には、相続税の申告義務も発生しません。

このように、

① まず、各相続人が、仮に遺産を法定相続分で相続したものとして財産を振り分ける
② そこに相続税の税率をかけて家族全体の相続税を計算
実際に財産を相続した割合に応じて、各相続人に相続税を振り分ける

という方法によって相続税は計算されます。

ややこしい計算方法にしている理由

何故、一度、仮に法定相続分で相続したものとして遺産を振り分け、そこに税率をかけるという計算が必要になるのでしょう?

実際に相続した金額に税率をかければいいじゃないですか?

しかし、実はこの面倒な作業を行わないと、次のような現象が起きてしまうのです。

例えば、1億円の財産を3分の1(3333万)ずつ分けたとします。

この3333万に直接、相続税の税率をかけると相続税の合計額は1400万円になります。

実際に相続した金額に税率をかける

しかし、もし、1億円の財産を奥さんが全て相続したとします。

この1億円に、直接税率をかけると、相続税は2300万円となってしまいます。

3等分した場合の相続税は1400万ですが、一人が全て相続する場合には2300万の相続税となってしまいます。

遺産の分け方次第で、相続税が非常に大きく変わってしまうことになります!

この現象を防ぐために、一度、仮に法定相続分で相続したものとして財産を振り分けて、そこに税率をかけて、家族全体での相続税を計算することとしています。

これであれば、どのような分け方にしても、家族全体での相続税は変わりません。

まぁでも結局のところ、違う論点があるので、財産の分け方によって相続税は何倍も変わっちゃうんですけどね。その話はまた別の記事で!

【配偶者控除】夫婦間の相続は1億6000万まで無税

上記のように相続税を計算していくのですが、夫婦間の相続には、最低でも1億6000万相続税を課税しないこととされています。この特例制度を、配偶者の税額軽減といいます。

配偶者の税額軽減(相続税の計算)

相続税の計算を理解するときに、基礎控除と、配偶者の税額軽減を一緒に考えてしまい、混乱される方がいます。

基礎控除は、ステップ1で遺産の合計額から控除するものです。

配偶者の税額軽減は、ステップ5で実際に配偶者に割り振られた税額から控除するものです。

計算過程における控除するタイミングが違いますので、混同しないようにしましょうね。

相続税の計算例

遺産1億円:相続人(妻、子2人)

【1】1億円-4800万(基礎控除)=5200万

【2】妻の法定相続分:5200万÷2=2600万 

   子の法定相続分:5200万÷4=1300万

【3】2600万×15%-50万=340万

   1300万×15%-50万=145万

【4】340万+145万+145万=630万

【5】630万-315万(配偶者の税額軽減)=315万

子の相続税額、それぞれ157.5万円(合計315万)

遺産5000万円:相続人(子2人)

【1】5000万-4200万(基礎控除)=800万

【2】法定相続分800万÷2=400万

【3】400万×10%=40万

【4】40万+40万=80万

【5】80万を実際に相続した財産の割合で納税

相続税の早見表

相続税早見表
相続税早見表

子供がいない人の相続税の早見表もあります。

土地がある場合の相続税の計算方法

路線価を使って相続税評価額を計算

亡くなった人の遺産は、亡くなった日における時価で計算することとされています。

現金や預金についてはシンプルです。亡くなった日における残高で計算していくことになります。

ただ、不動産については、不動産鑑定士でもない限り、正しい時価を把握することは困難です。

そこで国税庁は、誰でも簡単に不動産の評価額を計算できるように「路線価」というものを公表しています。これを使えば、誰でも簡単に計算できますので、是非、一度試してみてください。

【重要特例】小規模宅地等の評価減

土地の評価額が計算できたら、次に、小規模宅地等の評価減という特例を検討します。

この特例は一言でいうと「亡くなった人が自宅として使っていた土地は、配偶者か、亡くなった人と同居している親族が相続する場合には、8割引きの金額で評価していいですよ」という特例です。

8割になるのではなく、8割引きですよ!

1億円の土地であれば、2000万の評価額で計算してくれるという、減額の幅が非常に大きな特例です。地価の高い地域にお住いの人であれば、相続税が何千万も変わる話になります。

この特例が使えるかどうかで、今後の対策の立て方も大きく変わりますので、早い内に必ず、この小規模宅地等の特例についての検討はしておくようにしましょう。

小規模宅地等の特例によって8割引きする際は、ステップ1の遺産の合計額から直接引いて計算します。

生命保険がある場合の相続税の計算方法

生命保険金は、

法定相続人の数×500万円

まで非課税とされています。

【ステップ1】の遺産の合計額から直接引いて計算します。

生命保険の非課税枠

生命保険金は非課税となりますが、誰を受取人にするかで、相続税を少なくすることもできれば、むしろ増えてしまうこともあります。詳しくはこちらの記事で解説しました。

生命保険の非課税枠を誰に使うかは選べない

保険金の受取人が複数いる場合、非課税になる金額は、その受け取る保険金の割合に応じて分配されます。つまり、自由に決めることはできないのです。

例えば、母に1000万の生命保険、長男にも1000万の生命保険、長女にも1000万の生命保険を支給されるとします。この場合、非課税になる金額は、母500万、長男500万、長女500万ということになります。

生命保険の非課税枠

まとめ

相続税の計算をまとめると次のような流れになります。

1.亡くなった人が残した遺産の金額を集計(小規模宅地特例や生命保険も考慮)

2.そこから基礎控除を引く

3.2の金額を、各相続人が仮に法定相続分で相続したものとして振り分ける

4.振り分けられた金額に、相続税の税率をかけて家族全体の相続税を計算

5.家族全体の相続税を、各相続人に実際に相続した割合で振り分ける

6.夫婦間の相続においては最低でも1億6000万まで相続税は課税されない

まずは、この流れの通りに、自分で相続税を計算してみましょう。

現状の相続税が計算できれば、自ずと、相続税の負担を軽くするためにはどうすればいいかがわかってきます。

生前贈与をするのがいいのか…

小規模宅地等の特例を確実に受けられるようにするのがいいのか…

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