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相続税が非課税になる生命保険は受取人を配偶者から子供にせよ!孫は最悪

2021.06.25

【この記事の執筆者】橘慶太

相続税の研究を愛する相続専門の税理士。23歳で税理士試験に合格し、国内最大手の税理士法人で6年間の修行を積んだのちに独立。円満相続税理士法人の代表を務める。

詳しいプロフィールはこちら

こんにちは。相続専門税理士の橘です!

みなさん、生命保険には加入していますか?

亡くなった時に支給される生命保険金にも、残念ながら相続税は課税されます。

しかし、生命保険は特別に、法定相続人の人数×500万円まで相続税が非課税とされています。この制度は生命保険の非課税枠(ひかぜいわく)と呼ばれています。

例えば、父と母、子供2人いるような家族の父が亡くなってしまった場合には、法定相続人は、母と子供2人なので合計3人です。法定相続人3人×500万=1500万円まで、生命保険は非課税になります。この金額を超える生命保険は、他の預金などと同じように相続税が課税されます。

預金として1500万残せば相続税がかかりますが、これを生命保険という形に変えるだけで相続税が非課税になりますので、とてもお得な話ですよね。

と、ここまでは・・・

と、思っている人も多いかと思います。

それでは、これは知っているでしょうか?

生命保険の非課税枠は、生命保険の受取人を誰にするかによって、非常にお得になる場合と、むしろ損する場合があります。とてもお得になる受取人と、ちょっとしかお得にならない受取人、むしろ損する受取人がいます。

先に答えを言っちゃうと・・・

・とてもお得になる受取人は子供

・ちょっとしかお得にならない受取人は配偶者

・むしろ損する受取人はです。

今回は、相続税対策としての生命保険の非課税枠を、よりよい形にするための秘訣を解説していきます。

非課税になる金額の考え方

法定相続人の人数×500万まで、生命保険は非課税になりますとお伝えしましたが、ここの考え方をもう少し深堀して解説します。

保険金を受け取る人が複数いる場合、非課税になる金額は、その受け取る保険金の割合に応じて分配されます。つまり、自由に決めることはできないのです。

例えば、母に1000万の生命保険、長男にも1000万の生命保険、長女にも1000万の生命保険を支給されるとします。この場合、非課税になる金額は、母500万、長男500万、長女500万ということになります。

例えば、母に2000万の生命保険、長男には500万の生命保険、長女にも500万の生命保険が支給されるとします。この場合に、非課税になる金額は、母1000万、長男250万、長女250万ということになります。

例えば、母にだけ3000万の生命保険が支給されたとします。この場合に非課税になる金額は、母1500万ということになります。受け取る人が一人だったとしても、家族全体で非課税になる金額は変わらないというです。

生命保険の受取人は配偶者ではなく子供にした方が良い


相続税の負担を少なくしたい‼

というお気持ちで生命保険の加入を検討しているのであれば、実は、受取人は配偶者ではなく、子供にした方がお得になります。

その理由は・・・

夫婦間の相続は、最低でも1億6千万まで相続税が非課税になる、別の制度があるからです。

夫婦の財産は、長年、夫婦が協力して築き上げたものですので、そこに相続税を課税するのは可哀想でしょ!というのが趣旨で創られた制度で、配偶者の税額軽減といいます。

この配偶者の税額軽減という制度があるため、そもそも配偶者に対しては相続税が課税されないことがほとんどなのです。

そのことから、配偶者が受け取る生命保険も、子供が受け取る生命保険も、非課税枠の範囲内であれば相続税は課税されませんが、配偶者はもともと1億6千万まで非課税の枠を持っていますので、生命保険の非課税枠の恩恵を配偶者に使うのはもったいないのです。

生命保険の非課税枠の恩恵は、配偶者の税額軽減が使えない、子供に対して使ってあげた方が得をするのです!

※配偶者の税額軽減を詳しく知りたい人は↓をご覧ください

配偶者の税額軽減とはなんぞや?

夫婦間の相続では、最低でも1億6千万円まで相続税は課税されません。しかし、安易に節税になるからと思って、必要以上に相続させすぎると、2次相続で非常に割高な相続税を要求されます。配偶者の税額軽減を基本的な部分から解説しました。

【実際にどれくらい相続税が変わるか計算してみましょう】

例えば、父母、長男長女という4人家族がいました。

父は、現在1億円の財産を持っており、将来の相続税対策として生命保険に1500万分加入しようと検討しています。ここで受取人を妻にするか、子供にするかで悩んでいます。

ではまず、1500万円まるまる妻を受取人とした場合の相続税を計算してみましょう。

この場合の相続税は次の通りです。

母:0円

長男:1,213,200円

長女:1,213,200円

合計:2,426,400円

という結果になります。

では次に、750万円ずつ、長男と長女を受取人にした場合の相続税を計算します。

この場合の相続税は次の通りです。

母:0円

長男:849,200円

長女:849,200円

合計:1,698,400円

先ほどとの差額は、なんと!728,000円‼生命保険の受取人の違いで、100万近くも相続税が変わります‼

同じ非課税の恩恵を受けるにしても、配偶者ではなく、子供がその恩恵を受けた方が、圧倒的にお得なんです。このことは生命保険の営業マンも知らない人がほとんどですので、相続税対策で保険に加入している人は、今すぐ受取人をCHECKしてくださいね!

ちなみに、生命保険の受取人の違いで相続税がどれくらい変わるかは、財産を多く持っている人ほど、その差が大きくなります。先ほどは1億円持っている人の例を出しましたが、これがもし2億円持っている人だと、その差は約190万!3億円持っている人だと、約270万も差がでます‼

まったく同じ保険でも、受取人を誰にするかで手取りが全然違うんですね‼

【最悪の受取人は孫】

相続税対策を目的として生命保険に加入するのであれば、孫を受取人するのは最悪です。相続税対策になるどころか、相続税は余計に高くなります。

理由は3つあります。

まず1つ目は、孫が受取人となる生命保険は、非課税になりません。

ここは重要なポイントなのですが、生命保険の非課税枠は、受取人が法定相続人である場合に限り、使うことができます。相続人ではない孫や、その他の親族を受取人とした生命保険は、たとえ非課税枠以内であったとしても、非課税にはならないので、そのままダイレクトに相続税が課税されます。

孫が法定相続人になるケースは、代襲相続の場合か、養子縁組をした場合だけです。この2つのケースに該当しない場合には、孫に支払われる生命保険は非課税にならないので注意してくださいね。※法定相続人ついて詳しく知りたい人は↓をご覧ください。

法定相続人の範囲は民法と相続税は違うよ

人が亡くなってしまった時に遺産を相続できるのは法定相続人という立場がある人だけです。法定相続人の考え方は民法上の考え方と相続税を計算する上での考え方にズレがあります!基本的な考え方から相続税のことまで、イラストを使いながらわかりやすく解説しました♪

2つ目の理由は、孫が受取人となる生命保険は、相続税の2割加算の対象になります。

先ほど、孫が受取人の生命保険は非課税にならず、ダイレクトに相続税が課税されますよ、とお伝えしました。

そして、さらに酷いことに、孫が受け取る生命保険は、相続税の2割加算という制度の対象になります。通常支払う相続税の1.2倍の金額で支払わなければいけないのです。まさに泣きっ面に蜂!※相続税の2割加算について詳しく知りたい人は↓

相続税の2割加算とはなんぞや

相続税は相続する人によって税額が2割加算されることがあります。制度の基礎を知って頂くと共に、どのような対策をとるべきか図を使いながら解説しました。

3つ目の理由は、孫が生命保険を受け取ると、亡くなる前3年以内に行われた孫への贈与がなかったものとされます。

生前贈与には3年内加算のルールというものがあります。これは、亡くなる直前に相続税を少なくすることを目的に駆け込みで行う贈与を防ぐために、亡くなった日から過去3年間に行われた贈与は、なかったものとして相続税を計算しなさい!という制度です。

非常に酷な制度ですが、実は、この制度は基本的に、孫には適用されないんですよ。

そのメリットがあるので、「生前贈与は、孫に贈与した方がお得ですよー」ということがよく巷でいわれているわけです。

ところがどっこい。孫が生命保険を受け取った場合には、孫であっても3年内加算の対象になります!3年内加算の対象になるのは、相続で遺産を受け取った人とされているからです。生命保険を受け取った場合にも、この3年のルールに巻き込まれてしまうの注意してください。※生前贈与の3年ルールを詳しく知りたい人は↓

相続開始前3年以内の贈与は無かったことに?

亡くなる前3年以内に行われた生前贈与は無かったことにされ、相続税の対象に戻されてしまいます。この3年内加算のルールは、原則として孫に対する贈与には適用されません!贈与税の3年内加算のルールについて、イラストを使いながらわかりやすく解説しました♪

以上の3つの理由です。孫が受取人の生命保険は・・・・

そもそも非課税にならない!

相続税が2割加算!

亡くなる3年以内の生前贈与がなかったことにされる!

と最悪なのです!

もちろん、税金対策以外の目的で孫を受取人にされている人にとっては、税金が高くなっても必要なものですので、そこを否定するつもりはありません。

しかし、税金対策として孫を受取人にしているとしたら・・・

い・ま・す・ぐ!

何故、ここを強く強調するかと言うと、ここの論点は、生命保険の営業マンや銀行の窓口で生命保険を販売している銀行員さんがよく間違える論点だからです。

実際に相続が発生してから、「銀行員さんに勧められて孫を受取人にしてたんです」という人、今まで一人や二人じゃないですからね。お客様の大切なお金を預かるなら、もっと相続税のこと勉強してください!と言いたいです。せっかく非課税になると思って契約したのに、かわいそうですもん。

【まとめ】

 生命保険に加入すると、500万×法定相続分まで非課税になります。

このことは元から知っている人も多いですが、生命保険の受取人を誰にするかによって、相続税が全然違ってくることを知っている人は少ないです。

配偶者を受取人しても、配偶者は元々1億6千万まで非課税なので、生命保険を非課税にしても節税の効果は薄まってしまいます。

その観点からも、生命保険の受取人は子供がお勧めです。子供は、配偶者と違って1億6千万まで非課税になることはありませんからね。非課税にできる生命保険を活用してあげた方が得します。

そして、孫を受取人としている生命保険は最悪です。今すぐ子供に変更しましょう。生命保険の受取人の変更は簡単にできます!生命保険の担当者に依頼すればすぐに応じてくれますよ。今すぐ保険証券をチェックして、保険金の受取人を確認してみましょう♪

最後に、私たちのメールマガジンかLINE@に登録していただいた方には、税務調査のマル秘話や、生命保険を活用した節税術などを発信しています(^^♪他にもプレゼントもたくさんありますので、是非、ご登録をお願いします♪

【注意】リビングニーズ特約で相続税で失敗する人が続出・・・

リビングニーズ特約とは、余命6ヶ月の宣告を受けた人が、生命保険金(死亡保険金)を前払いで3000万円まで受け取ることができる制度です。とても素晴らしい制度ですが、相続税の観点からは注意して頂きたいことがあります。保険営業マンも必見の内容です!

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