5分でわかる!期限別相続手続きの流れ&戸籍などの必要書類まとめ

2021.06.25

【この記事の執筆者】橘慶太

相続税の研究を愛する相続専門の税理士。23歳で税理士試験に合格し、国内最大手の税理士法人で6年間の修行を積んだのちに独立。円満相続税理士法人の代表を務める。

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親族に相続が起きてしまった場合に、まず多くの方が思うのは。
「まず、何からやっていいのかわからない!」ということです。

相続の手続きはたくさんありますが、まずは期限があるものも含め全体像を抑えることが先決です!
今回は、相続手続きについて広く浅く解説していきます。

【まずはこちらが全体像!期限があるのは、亡くなってから3・4・10か月の3つです。】

相続手続きの全体像

相続の手続きに期限が存在するのは3つだけです。


3か月→相続放棄の期限
4か月→所得税の準確定申告の期限(亡くなった方の確定申告のことを確定申告といいます)
10か月→相続税の申告

まず、相続手続きでやることは、遺言書があるかないかで大きく変わります。
遺言書がある場合には、原則として遺言書の内容通りに遺産を分けていくので、手続きは比較的早く終わります。
一方、遺言書がない場合には、相続人全員の話し合いで遺産の分け方を決めなければいけません。この手続きを遺産分割協議といいます。これが長引いてしまうことがよくあるんですよね。

遺産の分け方が決まれば、あとは名義変更をしていきます。

遺産分割協議や名義変更には期限はありません。

これ以降は、期限のある相続手続きについて詳しく解説していきます。

【相続の放棄とは?】

まずは、亡くなった日から3ヶ月で期限を向かえるのは、相続放棄の期限です。

この手続きは、亡くなった方の遺産を相続したくない相続人がいる場合には、相続を放棄することを家庭裁判所に申し出る手続きです。

3か月以内に申し出をしないと、相続することを承認したものと取り扱われますので注意が必要です。

どちらかといえば、この手続きは、亡くなった方が借金などを多額に残してしまった場合などに使われることが多いですね。

なお、相続の放棄があった場合には相続人の人数が変わりますが、相続税の計算には影響を与えないようになっています。つまり、放棄をしたからといって相続税がお得になったり、損したりすることはありません。

と、いうのが一般論ですが・・・・

実は1つだけあるのです。
相続放棄をすると圧倒的に相続税の負担を抑えられるシチュエーションが。

この論点は、税理士でも知らない人がほとんどなんですよねぇ。
放棄は3ヶ月以内でないとできないので、本来はきちんとアドバイスしてあげないといけないですよね。

相続放棄をすると圧倒的に得をするケースは↓の記事に書きましたので、ご興味ある方は是非ご覧くださいませ

【法定相続人の範囲と順位を解説しました】

人が亡くなってしまった時に遺産を相続できるのは法定相続人という立場がある人だけです。法定相続人の考え方は民法上の考え方と相続税を計算する上での考え方にズレがあります!基本的な考え方から相続税のことまで、イラストを使いながらわかりやすく解説しました♪

【所得税の準確定申告】

亡くなった日から4か月以内に行わなければいけないのは、所得税の確定申告です。

通常の確定申告は、毎年2月15日から3月15日の間に行うこととされています。
ですが、亡くなってしまった人の場合には、亡くなった日から4か月以内に申告しなければならないのです。

なお、次の2つの条件に該当する方は確定申告をしなくてもよいこととされています。
1.年金の収入が400万以下
2.その他の所得が20万以下
ここに該当すれば、確定申告しなくてもOKです。

実務上は、多くの方がここに該当します。
該当しないのは、賃貸不動産を持っている方ですとか、事業を営んでいたような方ですね。

ちなみに確定申告をする義務がなくても、あえて申告をすれば、税金の還付(税金の返還)を受けることができる場合もあります。

還付の場合には4か月以内という期限はありませんので、ゆっくりやっても問題ありません。(亡くなった日から5年4か月以内であれば還付を受けることができます)

【相続税の申告は亡くなった日から10ヶ月以内】

相続税の申告は亡くなった日から10ヶ月以内です。
この時までに、相続税の納税も済ませなければいけません。
相続税の納税は金銭で納めることが原則なので、それまでにキャッシュを用意しないといけないので余裕をもって準備をしておきましょう。
不動産はたくさんあるけど金銭はあまりないですよという方は、物納(ぶつのう)といって、物で税金を払うことも可能です。
しかし、近年この物納の要件はどんどん厳しくなっていて、ほんとーーにお金を持っていないと認められなければ物納することはできません。
日本全国で物納が認められる件数は年間100件も満たないのが現状です。
なお、相続税は亡くなった人に必ずかかる税金ではありません。
一定以上の財産を残した人にだけかかる税金です。
この一定の金額のことを基礎控除(きそこうじょ)といいますが、基礎控除についてはこちらのブログに詳しく解説しましたので、こちらをご参照ください。

基礎控除とはなんぞや?


ちなみに相続税がかかる人は、100人亡くなった場合に8人です。
まずは、そもそも相続税の申告が必要かどうかを見極めることが大切です。

【戸籍や印鑑証明は何を用意すればいいの?】

相続手続きでは、なにかと戸籍謄本や印鑑証明書や住民票が必要になります。

戸籍謄本は亡くなった方の出生から死亡までのものが全て必要になります。
本籍地をたくさん変えているような場合には、その本籍地ごとに戸籍を取り寄せなければいけないので、これが結構大変なんです。

また、亡くなった方の戸籍だけではなく、相続人の戸籍も必要になります。
兄弟や甥や姪が相続人になる時は、全員の関係がわかるように戸籍を収集するは、凄く大変です。

もし大変だと感じる場合には、司法書士に依頼すれば3万円位でやってくれます。

また、銀行や証券会社の名義変更をする際に、戸籍や印鑑証明書は、新しく発行を受けてから6ヶ月以内のものでないと使えないというルールがあったりします。(その金融機関ごとに異なるルールです)

ですので、そのことも踏まえたうえで揃える必要がありますね。

ちなみに、銀行や証券会社の名義変更に使う戸籍などは、使ったらお客様に返してもらえます。(これを原本還付といいます)

不動産の名義変更でも、法務局から最終的に原本還付を受けることも可能です。

ですが、税務署へ相続税の申告書を提出する際には、原本を返してくれません。

そのため、私はお客さまには、あらかじめ全て2セットずつ用意をお願いしています。
また区役所に取りに行ってもらうなんて、大変ですからね・・・。

【どの専門家に相談すればいいのか?】

相続に関する専門家はたくさんいます。

弁護士、司法書士、行政書士、税理士・・・
まずは誰に相談すべきなのでしょうか?

私のお勧めは次の通りです。

①相続税の心配が一切ない方 → 司法書士or行政書士 (不動産の名義変更は司法書士でないとできません)
②相続税の心配がある方   → 相続税に強い税理士
③相続争いが発生している方 → 相続に強い弁護士
④③でかつ相続税がかかる方 → 相続税に強い税理士 & 相続に強い弁護士

①について注意していただきたいのは、例えば亡くなったお父さんには相続税の心配はないけど、残されたお母さんには相続税の心配があるような場合には、その方は②だと思ってください。

お父さんの財産の相続の仕方によって、その後、相続税の問題がでてきましうかもしれませんので。

また、税理士や弁護士を選ぶ際に注意しなければいけないのは、相続という分野に経験と実績があるかどうかです。
税理士や弁護士にも、得意分野と不得意分野がはっきりわかれています。
特に相続を専門としている税理士や弁護士は非常に少ないです。

専門家選びは、本当に、ほんとーに大切なので、人からの紹介を鵜呑みにしたりせず、しっかりと情報収集をして、ご自身で専門家を見極める目を養ってください

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