孫を養子縁組すると相続税は減るけど2割加算とかデメリットもあるよ

【この記事の執筆者】

相続税の研究を愛する相続専門の税理士。23歳で税理士試験に合格し、国内最大手の税理士法人で6年間の修行を積んだのちに独立。円満相続税理士法人の代表を務める。

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こんにちは。相続税専門の税理士の橘です。

 

養子縁組をすると将来、亡くなってしまった時の相続税を減らす効果があります。この効果を狙って孫を養子にとる人がたくさんいます。

 

しかしながら、必ずしも養子縁組をすれば相続税が減るとは限りません。場合によっては、相続税が跳ね上がるリスクも存在します。

 

また、養子縁組をすると、確かに相続税が減ることもあるのですが、あからさまに税金対策のためだけでしょ!と税務署から言われた場合には、養子縁組を認めてもらえないこともあります。

 

平成29年1月31日、最高裁から「節税目的の養子縁組はただちに無効ではない」という判決がでましたが、周囲からの反応聞いてみると、多くの人が誤解していることがあります。

 

今回は、孫を養子にとる相続税対策が本当に有効か解説しました♪

 

孫を養子縁組すると、相続税はガクンと減ります

まずは結論からお伝えすると、孫を養子縁組すると、相続税は大幅に減ります。その人の資産規模にもよりますが、最大で7000万以上相続税が減ることもあります。

 

なぜ相続税が減るのかというと、その理由は相続税の計算の仕組みにあります。相続税の計算は、相続人の人数に基づいて計算をします。大切なポイントは、相続税は相続人が多いほど、税額が少なくなるという性質があることです。※相続税の計算の仕組みを詳しく知りたい人はこちらを見てね→基礎控除とはなんぞや?

 

孫を養子縁組すると、子供が一人増えることになるので、相続人の人数が1人増えるのです。このことによって、相続税は大きく減ることになるのです。

 

ちなみに、孫を養子縁組すると、家族全体での相続税は減りますが、養子になった孫が財産を相続した場合には、相続税の2割加算という制度の対象になります。この制度は、通常支払うべき相続税を、2割増やした金額で納税しなければいけないという制度です。100万でいいところを120万で払えというわけです。※相続税の2割加算を詳しく知らいたい人はこちら→相続税の2割加算とはなんぞや?

 

 

孫をたくさん養子縁組すれば、相続税はゼロになるの?

養子縁組をして相続人が増えれば相続税は少なくなります。それであれば、たくさん養子縁組をすれば、極端な話、相続税は0にできるのでは?

 

と、思う人もいるかと思いますが、そうは問屋が卸しません。

 

民法上は、養子は何人でもとることができます。100人でも200人でもいいです。一方で、相続税を計算する場合には、養子を相続人にカウントできる人数を限定しています。そのカウントは、実子がいる場合には、養子は一人まで、実子がいない場合には、養子は二人まで、と、決まっています。

 

ここでよく、誤解を招くのは、あくまでこの取り扱いは相続税を計算する場合の話であって、民法上は何人でも養子にとってもいいのです。

 

節税目的と認定された場合には、養子はカウントに入れられません

養子縁組が明らかな相続税の節税目的と認定された場合には、養子を相続人の人数にカウントしないこととされています。国税庁のホームページにも次のように記載されています↓

養子人数

養子の人数について(国税庁HP)

「養子の数を法定相続人の数に含めることで相続税の負担を不当に減少させる結果となると認められる場合、その原因となる養子の数は、養子の数に含めることはできません

 

あからさまに節税目的の場合には、カウントにいれることはまったくできません。

 

ここでよく質問を受けるのは、「節税対策での養子って、どうやって判断するの?」という質問です。

 

これは、税務調査が行われたときに、税務署の職員から「何故、養子縁組したのですか?」と質問され、「相続税対策です!それ以外に理由はありません」と発言したりすると、その養子縁組は否認されてしまうでしょうね。

平成29年1月の最高裁判決は「孫を養子縁組して節税してもいいですよ」という意味ではありません

最高裁判決は、「養子縁組をすることによって、相続税を節税してもいいですよ」という意味ではありません。

 

今回の最高裁での判決は、「相続税の節税が目的であったとしても、民法上、養子縁組を認めますよ」という判決であって、「養子縁組をして相続税を節税してもいいですよ」という判決ではありません。

 

多くの人が、この判決を受けて誤解されていますが、節税自体をOKにしたわけではありませんからね。あくまで民法上OKという意味です。

 

養子縁組をすると相続税が増えることもあります

まずはこちらのクイズをご覧ください。

相続人はだれでしょうか?

 

 

 

 

正解は

 

 

 

 

 

相続人はこのひとらです

正解

子供と両親がいない人に相続が発生した場合には、相続人は配偶者と兄弟姉妹となります。また、兄弟姉妹が既に亡くなっている場合には、甥や姪も相続人になります。すると、今回のケースでは相続人の人数は4人ということになります。

 

 

それでは、もしこの夫婦が養子縁組をするとどうなるか見ていきましょう。

養子縁組をすると相続人はだれになるでしょうか?

甥を養子にとった場合の相続人は誰になるでしょうか?

正解はこのひとらです

このような結果となります。

 

ここで注目していただきたいのは、養子縁組をする前の相続人の数と、養子縁組をした後の相続人の数です。改めて、もう一度見ていただけますでしょうか?

 

養子縁組をするの相続人は4人いますが、養子縁組をしたの相続人は2人になります。

 

結果として、養子縁組をすると相続人の人数が減少し、相続税が跳ね上がるケースもあるので、なんでもかんでも養子縁組すると税金対策になるわけではないので注意してください。(相続人について詳しく知りたい方はこの記事をご覧ください→相続人とは)

 

 

まとめ

孫を養子にすると確かに相続税は減りますが、女系の場合には苗字が変わってしまうことや、孫養子の場合には相続税の2割加算があったり、養子にとった孫にも遺留分が発生したりと、いろいろと他の問題もでてきます。様々な角度から検証してから最終的に判断していただくことをお勧めします。※遺留分のことを知らない人は、必ずこちらを一読ください。知らないと大変なことになりますよ!→遺留分とはなんぞや?

 

私の勝手な予想ですが、今回の最高裁判決をうけて、これから国税庁が動き始めると思います。最高裁で事実認定が変わってしまうと国税も動けなかったでしょうから、この判決をもとに相続税の節税目的の養子を否認しに動くでしょう。

 

現状のまま放置をすると、世の中に「養子縁組をして相続税を節税してもいいんだー」と間違った認識を広めてしまう恐れがあるので、ここは注意していかないといけないですね。

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