円満相続税理士法人 税理士
大学在学中に税理士を目指し、25歳で官報合格。大手税理士法人山田&パートナーズに入社し、年間30~40件の相続税申告に携わりました。丸6年間の実務経験を経て退社。地元関西に戻り、円満相続税理士法人に入社しました。現在も相続税申告を中心に業務に励んでいます!
相続人の中に未成年者がいる場合、特別代理人の選任が必要になるケースがあります。
特別代理人の選任については、こちらの記事で詳しく解説をしています♪
また、未成年者が財産を相続した場合には、未成年者が成人するまでの教育費や養育のための資金を考えて、相続税の負担を少なくしてあげようと設けられた制度があります。
これを「未成年者控除」といいます。
この記事では、未成年者控除について、解説をします!
いくら減額されるの?
未成年者が相続人となった場合、相続税額が一定額減額されます。
いくら減額されるかについては、未成年者が財産を相続したときの年齢によって異なります。
適用要件
(1)相続または遺贈により財産を取得すること
(2)財産を取得する未成年者が法定相続人であること
(3)財産を取得した時点で、20歳未満であること
(4)財産を取得した時点で、日本国内に住所があること
扶養義務者から控除
控除額が、未成年者本人の相続税額を超える場合には、その超える部分(未成年者控除の余り)については、他の相続人の相続税額から控除することができます。つまり、未成年者控除の余りについては、他の相続人にプレゼントすることが可能なのです!
ただし、プレゼントを受け取ることができる人は、未成年者の扶養義務者と決められています。未成年者の今後の養育に係る費用は扶養義務者が負担することが想定されます。その御礼として、未成年者控除の余りをプレゼントしていると考えるとわかりやすいかもしれません。
ちなみに、扶養義務者とは、父母、祖父母、兄弟姉妹をいいます。また、三親等内の親族で、家庭裁判所が扶養義務者と定めた人や家庭裁判所の審判を受けていないが未成年者と生計を一緒にしている三親等内の親族も含まれます。
陥りがちな留意点
適用要件(1)の財産の取得要件はとても重要な論点です。
上記の例で、未成年者の養育に係る費用は母が負担していくこととし、未成年の子供には、全く財産を相続させないとした場合、未成年者控除の適用はありません。もちろん、その場合には、未成年者控除の余りが生じることもないので、扶養義務者にプレゼントできるものもないということになります。
まとめ
未成年者の今後の生活と未成年者控除の有効的な活用のバランスを考慮し、未成年者に財産を相続させるべきか、しっかりと検討する必要があります。
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