円満相続税理士法人 税理士
大学在学中に税理士を目指し、25歳で官報合格。大手税理士法人山田&パートナーズに入社し、年間30~40件の相続税申告に携わりました。丸6年間の実務経験を経て退社。地元関西に戻り、円満相続税理士法人に入社しました。現在も相続税申告を中心に業務に励んでいます!
主人が亡くなりました。色々な手続きが必要になると思いますが、介護保険の手続きについて教えてください。
こんにちは、税理士の枡塚です。
日本では、相互扶助の考えのもと、いつ、どこで、誰が、遭遇するかわからない万が一に備えて、お互いに資金を出し合ってともに助け合うための下記のような制度が設計されています。
社会保険制度のうち、介護保険については、亡くなってから14日以内に手続きを行う必要があります。
この記事では、相続専門税理士の私が、介護保険の手続きについて一挙に解説をします!
最後までお読み頂ければ、介護保険に加入していた方が亡くなった場合の手続きをスムーズに行うことが可能です♪
介護保険制度とは?
まず、介護保険制度の概要について簡単にお話をします。
介護保険制度とは、65歳以上で要介護認定において介護が必要と認定された方や40歳から64歳までで特定疾病により介護が必要とされた方に介護サービスを提供するための制度です。
40歳になると介護保険料の支払いが開始し、40歳から生涯にわたって毎月払い続けることとなります。この保険料を財源に介護保険制度が運営されています。
毎月支払いをする保険料は、健康保険加入者であれば、健康保険と一緒に徴収されます。保険料は、各健康保険組合によって決め方が異なりますが、給与に保険料率を掛けて算出され、事業主がその半分を負担します。国民健康保険加入者であれば、所得割、均等割、平等割、資産割の4つを自治体の財政により独自に組み合わせて計算がされます。
65歳以上もしくは40歳から64歳で特定疾患になった場合には、介護サービスを利用できるようになります。ただし、介護サービスの利用を開始するには、市区長村に申請をして要介護認定・要支援認定を受けることが必要になります。
死亡した場合の手続き
65歳以上の方、または40歳以上65歳未満で要介護・要支援認定を受けていた方が亡くなった場合には、介護保険の資格喪失手続きが必要となります。一方、40歳以上65歳未満で要介護・要支援認定を受けていない方が亡くなった場合には、手続きは不要です。
資格喪失の手続きは、死亡後14日以内に行う必要があります。提出先は亡くなった人の住民票のある市区町村役場です。
届出に必要なものは下記の通りです。
・介護保険資格喪失届出
・介護保険被保険者証
市区町村によっては、資格喪失届を提出しなくても、死亡届を提出するだけで完了する場合や介護保険被保険者証を返却するだけで手続きが完了する場合、電話での通知で完了する場合もあります。また、保険者証の返却が不要(こちらで処分してOK)な市区町村もありますので、事前にお住まいの市区町村にて、ご確認頂くことをお勧めします!
届出書の様式は、市区町村によって異なりますが、市区町村の窓口で入手が可能です。また、市区町村によっては、公式ホームページから入手できるところもあります。
介護保険被保険者証の見本です。実際に手続きを行う相続人の方には、所有していない方が多く、馴染みがないかもしれませんね。市区町村によって、色が異なりますが、薄いピンクや黄色が多いようです。
担当のケアマネジャーさんが手続きのために預かっていることもありますので、保管場所について随時家族内で共有しておくと後の手続きがスムーズですね。
ただし、「見つからない」「亡くなった方が紛失していた」ということがあっても、再発行や紛失の届出などの必要はありません。
また、介護保険に加入している方は、年齢的に後期高齢者医療保険に加入している方が多いです。
後期高齢者医療保険の資格喪失手続きもあわせて行いましょう♪
詳しくはこちらで解説しています!
死亡した場合の保険料
死亡した場合には、介護保険料は月割りで再計算されます。再計算によって介護保険料が変更になった場合には、市区町村より「介護保険料変更決定通知書」が送付されます。変更に伴い、介護保険料が納め過ぎとなった場合には、相続人に対して返金(還付)され、不足する場合は、相続人が不足分を納付することとなります。
ちなみに、介護保険料は、資格喪失日の前月までを月割りで再計算されます。資格喪失日は、死亡日の翌日です。
納め過ぎていた場合には、「還付通知書」「還付請求書」が送付されます(市区町村によって書類の名称が異なり「還付金口座振替依頼書」などと呼ぶところもあります)。必要事項を記載の上、返送すると指定口座に概ね2週間から3週間後に振込がされます。
逆に不足していた場合には、納付書が送付されてきます。
「還付通知書」や「納付書」は、亡くなられた方の住民登録をしている住所に送付されますが、希望をすれば、相続人の自宅など、別の住所へ送付することも可能です。
なお、亡くなった人が年金を受給していた場合には、介護保険の特別徴収を停止するため、日本年金機構や各種共済組合に死亡の手続きを行う必要があります。特別徴収停止には2か月程度かかるため、亡くなった後に振り込まれる年金から介護保険料が徴収されることがあります。その場合には、市区町村が日本年金機構などの処理を待ってから過不足を計算し、差額の納付書または還付通知書が送付されます。
納めすぎていた場合に受領する還付金、不足していた場合に追加で納付する介護保険料は相続税の計算上、財産・債務として取り扱うことになります。円満相続税理士法人では、そのような細かな財産・債務についても漏れなく計上して、適正な相続税申告書を作成します!ぜひ、こちらをお読みください♪
まとめ
介護保険の死亡時の手続きについてご理解頂けましたでしょうか?市区町村によって、対応が違いますので、お住まいの市区町村に事前にご確認頂くことをお勧めします!ただし、他の手続きに比べて必要なものが少なく、難しい手続きではないため速やかに手続きを行いましょう!※その他の相続手続きはこちらをお読みください。
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