【Q&A】農地等の相続税の納税猶予の間違いやすい論点を解説! |東京・大阪・名古屋・大宮の相続専門・円満相続税理士法人
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農地等の相続税の納税猶予Q&A

皆さんこんにちは。

大宮円満相続税理士法人、代表税理士の加藤です。

今回は「農地等の相続税の納税猶予」の中で間違いやすい論点を、Q&A方式で分かりやすく解説していきます。

農地等の相続税の納税猶予は、細かい論点も多くあり、一つ間違えると大きな影響が出てしまいますので、ぜひ参考にしていただければと思います。

兼業農家の場合

Q:被相続人や相続人がサラリーマンなど他の仕事に就いていて、その仕事の合間で農業を行う「兼業農家」の場合でも、納税猶予は適用できる?

A:適用できます。

農地等の相続税の納税猶予については、被相続人や相続人が耕作等の行為を反復、かつ継続的に行っていれば良いので、そこを満たしていれば他に職業が有っても問題ありません。

農作物を自家消費している場合

Q:収穫した農作物を、自分たちで食べていて販売していない場合でも、納税猶予は適用できる?

A:適用できます。

納税猶予の要件は、農地の耕作を反復、かつ、継続的に行っていることが要件であり、売却や事業実態の要件はありませんので、自家消費をしていても適用可能です。

家庭菜園の場合

Q:家庭菜園にも納税猶予を適用できる?

A:適用できません。

農地等の相続税の納税猶予は、農地に対して適用できる制度となり、家庭菜園の場合には農地には該当しないので、適用は出来ないこととなります。

このとき、自家消費の考えと異なる理由を整理する必要があります。

自家消費は、もともと農地である土地を利用して農作物を栽培し、それを自分たちで消費しています。

これに対して家庭菜園は、もともと宅地(自宅の一部)を栽培のために転用しているという考えになります。

このように、元来農地として利用する前提でない土地(自宅敷地や工場敷地等)で農作物を栽培していても農地とはみなされないので、注意しましょう。

(自家消費は、元来農地として利用する前提の土地で農作物を栽培しているので、納税猶予の対象となる。)

所得税の申告をしていない場合

Q:農業を行っているけど、所得税の申告をしていない場合は適用できる?

A:適用できます。

納税猶予については、所得税の申告を要件としていないため、他の要件を満たしていれば適用可能です。

相続時精算課税を適用している場合

Q:過去に相続時精算課税制度で贈与を受けた農地が、相続税の計算に含まれたのですが、この農地には納税猶予は適用できる?

A:適用できません。

農地等の相続税の納税猶予は、相続または遺贈により取得した農地等が対象となるので、相続時精算課税制度を使用して贈与で取得した農地等は対象となりません。

相続人が未成年の場合

Q:農業相続人が未成年で、実際に農業を行う事が出来ない場合でも、納税猶予は適用できる?

A:一定の要件を満たせば適用できます。

農業相続人が未成年の場合には、その農業相続人に代わって、住居および生計を一にする親族が農業経営を行う事により、納税猶予は適用できることとなります。

ただしその後、未成年者が成人になったり、学校を卒業したりしてもなお、自身で農業経営を行っていない場合などは、納税猶予の継続が出来ないこととなります。

相続放棄した場合

Q:相続を放棄したのですが、遺言で農地を取得した場合には、納税猶予の適用は受けられる?

A:原則適用できません。

農地等の相続税の納税猶予は、「相続人」であることが要件のため、相続を放棄した場合には適用が出来ないこととなります。

ただし、次のような場合には相続放棄をしている場合でも「相続人」として取り扱う事ができます。

特例適用農地等の贈与者の死亡の時まで贈与税の納税猶予の適用を受けていた場合におけるその特例適用農地等の受贈者

相続開始の年にその相続に係る被相続人から贈与税の納税猶予の適用が受けられる農地等の生前一括贈与を受けた者で,その被相続人から遺贈により財産を取得したもの

相続開始の年に当該相続に係る被相続人から農地等の贈与を受けた者で,相続時精算課税の規定により当該農地等の価額が相続税の課税価格に加算されることとなるもの

市街化区域にある農地

Q:市街化区域にある農地について、納税猶予は適用できる?

A:その農地が三大都市圏特定市か否か、また、生産緑地か否かによって、次のように適用できるかどうかが変わります。

生産緑地である場合

市街化区域にある農地で生産緑地の指定がされている場合には、納税猶予の対象となります。

この場合、三大都市圏特定市に所在するか否かは関係なく適用可能です。

三大都市圏特定市「以外」の農地の場合

生産緑地以外の農地でも、三大都市圏特定市「以外」に所在する農地の場合は、市街化区域にあっても納税猶予の対象となります。

三大都市圏特定市の農地の場合

生産緑地以外の農地で、三大都市圏特定市に存在している農地の場合、基本的に納税猶予の対象とはなりません。

ただし、田園住居地域に存在している場合には適用が可能です。

三大都市圏特定市の注意点

Q:農地等の相続税の納税猶予に出てくる「三大都市圏特定市」は、地積規模の大きな宅地評価で出てくるものと一緒?

A:一緒では無いので注意が必要です。

「三大都市圏特定市」が相続税の分野で出てくる代表的なものとして

・農地等の相続税の納税猶予

・地積規模の大きな宅地評価

があります。

このとき両方の制度において、三大都市圏特定市は同じ範囲ではないので注意が必要です。

① 農地等の相続税の納税猶予の場合

農地等の相続税の納税猶予の三大都市圏特定市は、

「平成3年1月1日時点」で指定された都市

を言います。

具体的には次の表に記載された都市となります。

国税庁HP:租税特別措置法(相続税法の特例関係)の取扱いについて

② 地積規模の大きな宅地評価の場合

地積規模の大きな宅地評価に出てくる三大都市圏特定市は、その時点での三大都市圏特定市となります。

農地等の相続税の納税猶予は平成3年1月1日時点であるため、この指定時期の差に注意しましょう。

なお最新の三大都市圏特定市は次の表のとおりです。

(こちらについては、時期により変化する可能性があるので、実際に評価をする際は、その時の三大都市圏特定市をご確認ください。

(平成30年1月1日以降用)「地積規模の大きな宅地の評価」の適用要件チェックシート

農地を共有で相続した場合

Q:農地を共有で相続した場合にも、納税猶予は適用できる?

A:要件を満たしていれば適用可能です。

農地を複数人で共有して相続した場合であっても、その相続人が要件を満たしていれば、複数人で納税猶予を適用することが出来ます。

また、一部の人が要件を満たしていない場合であっても、要件を満たしている人は納税猶予を適用できます。

まとめ

今回は、農地等の相続税の納税猶予について、注意点や間違いやすい論点をいくつか解説しました。

上で解説した通り、農地等の相続税の納税猶予については細かい考え方も多く、一つでも間違えてしまうと、税額に大きな影響が生じてしまいます。

もし農地等の相続でお困りのことがあれば、ぜひ一度弊社にお問い合わせくださいませ。

お問合せはこちらからお願いいたします!

最後までご覧いただきありがとうございました!

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