【民法改正2019】相続預金の仮払いはいつから?施行日やポイント!

2021.06.24

【この記事の執筆者】桑田悠子

相続・事業承継の奥深い世界にはまった相続税マニアの税理士。穏やかで、分かりやすい説明が特徴です。
こちらのページでは、相続税の最新情報や、節税知識を読みやすい短文でお伝えします!

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【民法改正】凍結後&遺産分割前でも個人の預金が引き出せるように?

皆さま、こんにちは。

相続専門税理士の桑田です!

2019年に相続税の業界を激震させた相続法(民法のうち相続の部分)の改正が行われました!
約40年ぶりの大改正です!

その改正の1つに「相続された預貯金債券の仮払い制度」というものがあります。
今回はこの仮払い制度について詳しく解説します。

なお、適用開始は2019年7月1日です。
この日よりも前にお亡くなりになった方の預金についても、この日以降であれば仮払いの対象となります。

【なぜ亡くなった人の預貯金は引き出せなかったの?】

平成28年12月19日の最高裁の判決で次の2つのことが決まりました。

①相続された預貯金は、遺産分割の対象財産である!
②相続人による単独の引き出しができない!

この判決により、生活費・葬儀費用・債務の返済・未払金の支払いなどのお金が必要な場合でも、遺産分割が終わるまでは、亡くなった人の預金を引き出すことができなくなったのです。

※ただし、遺産分割が確定する前でも、相続人全員の印鑑証明書や実印があり、全員が同意している場合には引き出すことができます。

【民法改正で遺産分割協議の前でも引き出しが可能に!】

このような経緯で、遺産分割が終わるまでは亡くなった人の預金を引き出すことができなかったのですが、この度の相続法改正で、一定額までは引き出しが認められることとなりました!

ただし、引き出すことができる金額には制限があります!

計算方法は、次の2つの金額のうちいずれか小さな金額です。

①お亡くなりになった時の預貯金の残高×1/3×法定相続分
②150万円

つまり、法定相続分の1/3が原則ですが、150万円が限度ということですね!

複数の金融機関に残高をお持ちだった場合には、それぞれから上記限度額までの金額を引き出すことができます。
なお、「法定相続分」とは、「第900条及び第901条の規定により算定した当該共同相続人の相続分」を指すので、「第902条」の遺言による相続分の指定や、「第903条」の特別受益者の相続分は加味されません。

単純に戸籍や法定相続人情報から形式的に判断する「法定相続分」となります。

【実際に計算してみましょう!】

実際に引き出し可能な金額を計算してみましょう!

ご主人がお亡くなりになった時のA銀行の預金残高が3,000万円であり、その奥様が法定相続分1/2である場合、この奥様はA銀行からいくら引き出すことができるでしょうか?

答えはこちらです!

このように、残高は3000万円あってもこの奥様が引き出すことができる金額は150万円です。 
(もちろん、他の金融機関でも同じ手続きを踏めば、最大150万円を引き出すことができます。)

よって、もっと大きな金額が葬儀費用で必要である方や、債務の返済でお金が必要な方の場合には、足りないケースも想定されます。

その場合には、生命保険金などのすぐに現金として手にできる手当てが施されていれば問題ありませんが、生命保険金などもない場合は、家庭裁判所の判断で必要な費用分のみの仮払いが認められることもあります。
ただし、手続きの手間や時間がかかるので、あまりオススメできません・・・。

【金融機関に提出する書類は?】

この仮払い制度を使うためには、金融機関に自分が相続人であることや、法定相続分の分かる資料を提出する必要があります。

ほとんどの金融機関では次の書類の提出が求められるものと思われます。
なお、某メガバンクに電話で問い合わせをした際には、下記書類があれば手続きできるとのことでした。

①各種戸籍一式 or 法定相続情報一覧図(法務局の認証をうけたもの)
→実際に本人がお亡くなりになっている事実と、その相続人の範囲や法定相続分を把握します。

②申請をする相続人の身分証明書、印鑑証明書、実印での書類への押印
→仮払いをする相続人の身分や本人であることを確かめます。

必要資料は、金融機関ごとに規定されますので、仮払いを請求する金融機関にご確認ください。

なお、振込みは2週間ほどで完了するとのことでした。(振込みまで2週間もかかるのでは、この制度の趣旨的に少し使いづらいですね。今後、振込みに要する日数が短縮することを祈ります・・)

【満期前の定期預金はどうなる?】

この改正は、相続人に請求する権利を認めただけですので、金融機関がその請求に応じる義務はありません。そのため、満期前の定期預金など、約款で払戻制限がついている場合には、仮払いを拒まれる可能性もあります。検討される方は、該当する金融機関に事前に確認のうえ、ご来店されることをオススメします!

【仮払いでは足りない場合は?】

お亡くなりになった方に、大きな未払金やお借入れなどの債務があり、金融機関からの仮払いでは金額が間に合わない場合には、家庭裁判所へ保全処分を申し立てることで、金融機関の上限以上の金額の仮払いを受けることもできます。

手続きなど複雑ですので、家庭裁判所への申し立てをご検討中の方は、直接ご連絡のうえご相談ください。

【将来、相続人が預金凍結で困らないようにするために・・・】

ご本人がお亡くなりになった後、ご家族の方が預金が引き出せないと困るような状態が想定される場合には、生前に2つの対策があります!

1つ目は、生命保険への加入です。
生命保険金は、遺産分割の対象ではないので、遺産分割協議の前でも指定された受取人に支払われます。

2つ目は、遺言書で預金を相続する人を決めておくことです。
遺言書があれば、相続人は、自分に割り当てられた預金を引き出すことができます。
遺言書があっても、遺産分割協議で分け方を決めることもできますが、きちんと税理士などの専門家を交えてリスクを削減した遺言書を作成していれば、その通りに分けられるケースがほとんどです。
ぜひ遺言書(できれば公証役場で作成する遺言公正証書)を作成してみましょう。

私達も遺言書作成サポートを行っております。

遺言書は、相続税の特例適用などを鑑みずに作成されていると、結局、遺産分割協議で分け方を決めることになるケースが多々あります。
ぜひ相続税の試算と共に作成されることをお勧めします!

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2019年6月21日更新

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