相続人の中で、障害をお持ちの方がいる場合、相続税の障害者控除を使うことができます。

障害者控除を使った結果、本人の相続税がゼロ円となった場合、その使い切れなかった分は、扶養義務者である他の相続人の相続税を控除することとされています。結果として、相続人全員の相続税がゼロ円となることがあります。

この場合、相続税の申告そのものが、必要なくなるのでしょうか?

答えはYES

相続税の申告そのものが必要なくなります

小規模宅地等の特例や、配偶者の税額軽減などは、使った結果、相続人全ての相続税がゼロ円になっても申告義務は残ります。

しかし、障害者控除を使って全ての相続人の相続税がゼロ円となる場合は、申告義務そのものがないこととされています。

この点について、実務上、注意していただきたいのが、相続税申告を請け負う私達税理士と依頼者との間の報酬の取扱いです。

詳細な計算をする前から、明らかに障害者控除で相続税がゼロになることが明確である場合を除き、基本的に、私達税理士は、しっかりと財産評価等を行ったうえで、障害者控除を適用し、相続税額を計算していきます。結果として、相続税がゼロ円になることもありますが、その結果を導き出すためには、かなりの労力を要することがあります。

ただ、依頼者へ、申告義務がないことを報告すると、

相続税の申告義務がないなら、元から依頼なんてしなかった。報酬を払う必要はない

と言われる可能性があります。気持ちはわからなくもないですが、私達からしても、『たくさんの労力をかけて導き出した結果なのに、そのように言われるのは心外だ』という気持ちになりますよね。

こういったトラブルを避けるためにも、障害者控除を適用して、相続税がゼロ円となった場合の取扱いを、業務の請負契約書に記載しておくことをおススメします。ちなみに、私達の事務所では、この場合に該当しても、ご報酬は正規の金額を頂戴しています。確かに、相続税申告の義務自体はありませんが、しっかりと財産評価をしたからこそできる、今後のアドバイス(2次相続対策や障害をお持ちの方を守るための家族信託の提案など)で、それ相応の価値を提供できると考えているからです。

内閣府の統計によれば、国民全体のおよそ7.6%の人が、何かしらの障害をお持ちのようです。

障害者控除は実務上、頻出の論点なので、しっかりと抑えておきましょう。

障害のある子に、遺産を上手に相続させていく方法は、こちらの動画で解説しました!是非見てください。

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