【この記事の執筆者】
相続税の研究を愛する相続専門の税理士。23歳で税理士試験に合格し、国内最大手の税理士法人で6年間の修行を積んだのちに独立。円満相続税理士法人の代表を務める。
こんにちは。相続税専門税理士の橘です。
二世帯住宅には、相続税が安くなるものと高くなるものが存在します。
どのくらい変わると思いますか?
その方がお住いの地域にもよりますが、何千万円と変わることがあります!!
仮に、相続税が高くなってしまう二世帯住宅にお住いの方でも、相続が発生する前に私と出会えれば、相続税は何千万円と安くすることができます。そして、実際に、今までも多くの相続税が高くなる二世帯住宅を、安くなる二世帯住宅に変身させてきました。
私の体がたくさんあれば、日本全国の二世帯住宅をチェックできますが、そうはできませんので、一人でも多くの方にこのことを知っていただき、相続税が高くなる二世帯住宅を発見してほしいと思います。
相続税が大幅に変わってしまう原因は、小規模宅地等の特例にあります。
この特例は一言でいえば、亡くなった方が自宅として使っていた土地については、配偶者か同居をしている親族が相続すれば80%引きで相続していいですよ、という特例です。(詳しくはこちらの記事をご覧ください→小規模宅地等の特例とはなんぞや?)
自宅は配偶者か同居している親族が相続すれば8割引き
80%の金額になるのではなく、8割引きです。80%OFFって凄く大きいですよね。この特例が使えるか使えないかで、支払う相続税が何千万も変わるケースというのは、日本全国でゴロゴロしています。
例えば、次のような二世帯住宅の場合で、2階に住んでいる子供が自宅を相続した場合には、この特例は使えると思いますでしょうか?
2階に住んでいる子供が相続した場合には、特例は使えるでしょうか?
どうでしょうか?特例が使えるのは、同居をしている親族が相続した場合でしたよね?
二世帯住宅の場合には、同居と言えるのでしょうか?
正解は・・・・
中で行き来が可能なタイプの二世帯住宅は同居として、特例が使えます
中で行き来ができないタイプの二世帯住宅は別居として特例使えなかったんです
中で行き来のできるタイプの場合には、同居として80%引きになり、中で行き来ができないタイプの場合には、別居として80%引きが使えなかったのです。
2つの世帯を繋ぐ階段や廊下があるかないかで、相続税が何千万円も変わったのです。
そのため、急いで床をぶち抜いて階段を作る方や、壁をぶち抜いて廊下を作る方がたくさんいたんです。(この話は本当の話です)
二世帯住宅の構造の違いだけで、相続税が何千万円も変わってしまうのはおかしい!ということで、平成26年1月1日に税制改正が行われました。
出典:(国税庁)
「二世帯住宅が構造上区分された住居であっても、特例が適用できるようになりました」
と、改正されたため、中で行き来できない二世帯住宅に住んでいる方でも、小規模宅地等の特例が受けられるようになりました!もう床も壁も壊さなくてOKです!めでたしめでたし!!
と、多くの二世帯ユーザーがそう思いました。そして多くの方がいまだにそう思っています。
しかし・・・・・
悪夢はまだ終わっていなかったのです!!むしろ、問題は深刻化したと言えます!!
偉い人A「一つ屋根の下に住んでいるなら、同居として取り扱ってあげましょうよ」
偉い人B「うむ、そうだな。だが、一つ屋根の下は同居ってことだと、この場合も同居になってしまうぞ」
この場合も一つ屋根の下になってしまうなぁ。
偉い人B「この場合にも同居とするのは、ちょっとおかしくないかぁ?」
偉い人A「そうですねぇ。これは同居と認めちゃいけないですよねぇ」
偉い人B「いけんよなぁ、これは」
偉い人A「そうですねぇ、いけないですねぇ」
偉い人B「じゃあ、こういうパターンはダメにしておいて」
偉い人A「かしこまりました。条文にこういうパターンはダメと足しておきます」
そうしてできあがったのが、次の一文です。
拡大図
この一文が、悪魔の一文なのです。区分所有登記とは、分譲マンションのように、部屋の一つ一つに独立した権利をいれることができる登記です。分譲マンションは、一部屋一部屋で売ったり買ったりできますよね。これは、部屋ごとに区分登記されているからなんです。
そして、この「区分所有建物登記がさている建物を除き」というのは、本来は、先ほどのような分譲マンションの別々の部屋に住んでいる人までを同居とは認めない、という趣旨で盛り込まれました。
しかし、この一文によって思わぬ人たちが悲劇に見舞われることになったのです!
なんと、二世帯住宅であっても、区分登記されている場合があるのです。一階部分は父の所有物で、二階部分は子供の所有物であるというような形です。
分譲マンションみたいに区分登記されている二世帯住宅
このような登記がされている場合には、子供は同居扱いになりません。つまり、二世帯住宅に住んでいても80%引きの特例は使えないのです。その結果、相続税が何千万も増えてしまうのです。同じ二世帯住宅であっても、登記の入れ方一つで何千万も差が出ます。
一昔前までは、中で行き来ができるかどうかで判断をしたのですが、今は登記がどうなっているかを確認しなければ、小規模宅地等の特例が使えるかどうかの判断ができません。
ここでよく誤解される方が多いのが、共有登記です。共有登記とは、一つの所有権を複数の人が共有でもつことをいいます。イメージでいうとこんな感じです。
共有とは、あくまで1つのものをシェアして所有する形です。区分とは、2つのものをそれぞれが所有することをいいます
この場合には、同居扱いとなり、8割引きの特例は使えます。
そして、この区分登記か共有登記かを調べるためには、固定資産税の納税通知書があればわかります。区分登記されている場合には、それぞれの所有者に、別々に固定資産税の納税通知書が送られてきます。
共有登記されている場合には、一人の所有者に、1通だけ送られてきます。その際は、「納税者 ○○様(他1名)」のような書き方がされます。
なお、区分登記されている二世帯住宅を、2つとも同じ所有者が持っている場合には、納税通知書はその人にしか送られてきません。その時は、家屋の欄の、家屋番号が2つあると、区分登記されていることになります。
家屋番号が2つあると区分登記されている
うちは結局どっちなのかよくわからないぞ!!という方は、一度ご相談にきていただければ、私が見れば一発でわかるのでお気軽にご連絡ください。なお、区分登記されている物件であったとしても、相続が発生する前にご相談いただければ、80%引きにできる対策がありますので、是非お気軽にご連絡くださいね!
一昔前は、二世帯住宅に特例が使えるかどうかは、中で行き来ができるかどうかでした。しかし、今は中の行き来は関係なく、登記が区分登記されていないかどうかで判断をします。
この特例が使えるか使えないかは、とても大きな差がでますので、二世帯住宅にお住まいの方は、本当に注意してください。ちなみに、二世帯住宅で区分登記されている方は、結構多いです。
いや、かなり多いと表現した方がいいですね。是非、早めに確認するようにしてください♪
亡くなった人がアパートや駐車場として使っていた土地は200㎡まで50%引きになる特例があります(アスファルトや砂利のない青空駐車場は不可)。その名も小規模宅地等の貸付事業用の特例です。この特例と自宅80%引きの特例は部分的にしか併用できません。どちらを優先させるべきかの有利判定や限度面積の計算をイラストを使いながらわかりやすく解説しました。
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相続税は、担当する税理士の腕と経験によって何倍にも変わる恐ろしい税金です。費用や報酬だけで税理士を選ぶのではなく、実力を見極める5つの判断基準を解説しました。慎重に税理士を選びたい人だけご覧ください。
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