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相続税激増?老人ホームに入居すると小規模宅地等の特例が使えない?

2021.06.27

【この記事の執筆者】橘 慶太

相続税の研究を愛する相続専門の税理士。23歳で税理士試験に合格し、国内最大手の税理士法人で6年間の修行を積んだのちに独立。円満相続税理士法人の代表を務める。

詳しいプロフィールはこちら

老人ホームへ入居する際は、相続税の取扱いに細心の注意が必要です。

老人ホームへ入居をしたために、想定していた相続税が何千万円も増えてしまうことがよくあります!

残念ながら、ほとんどの方が老人ホームに入居した後にご相談にこられるのですが、入居した後ではどうしようもできないのです。

今回は老人ホームに入る前に、必ずチェックしてほしいポイントを解説しました。

【なんで相続税が激増するの?】

相続税が何千万も増えてしまう原因は、小規模宅地等の特例にあります。

この特例はどういった特例だったかというと、

「亡くなった方が自宅として使っていた土地については、配偶者か同居をしていた親族が相続する場合には、8割引きで相続していいですよ」

という特例です。

8割になるのではなく、8割引きになるのです!

1億円の土地であれば、たったの2千万円の評価額で相続できますので、この特例が使えるか使えないかで、相続税は何千万円も変わります!

自宅は配偶者か同居親族が相続すると8割引き

※この特例を詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください

小規模宅地等の特例とはなんぞや?

そして、なんと、

老人ホームに入居すると、この小規模宅地等の特例が使えなくなるリスクがあるのです!!!!

【なんで特例が使えなくなるの?】

なんで小規模宅地等の特例使えなくなるんだよ!!?8割引きにしてくれー!

と思う方もたくさんいます。

国税庁はこの特例に対し、老人ホームに入居した場合には、次のように考えています。

「あなたは老人ホームに引っ越したでしょ?そしたら、それまで住んでいた家は、今は自宅じゃなくてただの空き家でしょ!この特例は、亡くなった時に自宅として使っていた土地だけに使えるんでっせ

有料老人ホームに入ると小規模宅地等の特例が受けられなくなってしまいました

【この取り扱いはあんまりだ!ということで税制改正が行われました】

しかし、この取り扱いはあんまりだ!という声が多かったので、平成26年1月から税制が改正されました。

その改正とは、次の2つの条件を満たした場合には、老人ホームに入居した場合でも、それまで住んでいた物件を自宅として、小規模宅地等の特例を受けてもいいですよ!ということになりました。

その2つの条件とは、
1.介護が必要なため老人ホームに入居したこと
2.自宅を老人ホームに入居後に、新たに賃貸にだしたりしないこと
国税庁・質疑応答事例

この2つの条件を満たせば、それまで住んでいた物件も特例の対象とされました。
平成25年までの取扱いと比べると大幅に緩和されました。

ちなみに、「介護が必要」というのは、要介護認定などのことをいいます。

この判定時期は、相続開始の直前とされていますので、老人ホームにはいるタイミングでは介護が必要なくても、亡くなる直前に介護が必要であれば、特例を受けることができます。

【税制緩和を手放しに喜んではいけません】

それでは問題です。

次の場合には小規模宅地等の特例が使えるでしょうか?

田舎に住んでいた父と母が3年前に老人ホームに入居しました。
その父に相続が発生し、東京に住んでいる長男が実家を相続しました。
父は亡くなる前、要介護認定を受けており、旧自宅には誰も住んでいませんでした。

どうでしょうか?
先ほどの説明からすると、このパターンは特例を受けられそうな感じがしますよね?

ですが、この話の展開からして察する方もいると思いますが、

実はこのパターン・・・・

小規模宅地等の特例は受けることができないのです!!!

何故だと思いますでしょうか?

「税制改正によって、要介護認定があって、旧自宅に誰も住んでなきゃ特例受けられるんじゃないの?」

そうお思いの、そこのあなた!

小規模宅地等の特例の基本を思い出してください!

小規模宅地等の特例は、誰が自宅を相続すると8割引きになりましたでしょうか?

気付きましたでしょうか?

そうです、小規模宅地等の特例が使えるのは、配偶者同居親族です。

先ほどの事例においては、長男は父や母とは別居しているため、実家を相続しても小規模宅地等の特例は受けられないのです。

「おいおい、同居って言ったって、老人ホームで父と母と長男が同居するわけにはいかないぞ?」

安心してください。
老人ホームに入居した場合の同居の判定は、老人ホームで同居しているかどうかではありません。

老人ホームに入居する直前に同居していたかどうかで判定します。

つまり次のパターンであれば、小規模宅地等の特例が使えます。

もともと同居していればOK

この場合には、特例が受けられます。8割引きです。

それではこの場合には、どうでしょうか?

入れ替えの場合

父と母が老人ホームに入居するため、東京に住んでいた長男が実家に住むことになりました。
その後、父が死亡し、長男が実家を相続しました。

この場合、小規模宅地等の特例は使えるでしょうか?

答えは、NOです!!!

入れ替えの引越しの場合にも、この特例は使えません。

あくまで、老人ホームに入居する前から同居をしていれば、条件を満たすことになります。

【一番恐いのは無認可の有料老人ホーム】

税務通信という税理士がよく読む週刊誌(?)に恐ろしい記事がありました。

平成26年9月8日号からの抜粋です。

【小規模宅地特例 未届の有料老人ホームは適用対象外】

その記事によると、有料老人ホームの設置については都道府県知事への届出が義務付けられているのですが、なんと未届出の老人ホームもたくさんあるようです。

平成25年10月31日時点では、全国に有料老人ホームは9827件あるそうですが、未届状態の有料老人ホームはなんと911件にのぼるそうです。10%近くが未届です。

そして、この未届状態の老人ホームに入居してしまった場合には、問答無用で小規模宅地等の特例は受けられなくなります。

そのため、老人ホームに入居する場合には、
「お宅の施設は、キチンと都道府県に届出をだしていますか?ちゃんと小規模宅地等の特例は使えますか?」

と、必ず確認するようにしてください。

【まとめ】

有料老人ホームが絡むと、小規模宅地等の特例が使えるかどうかの判断が非常に難しくなります。

おそらく税理士であっても、この論点を即答できる人は非常に少ないでしょうね。

老人ホームへの入居の仕方で相続税が何千万円も変わるとは、誰も夢にも思いませんので、もし身近にそういった方がいれば、教えてあげてくださいね♪

【賃貸物件は50%引きになる小規模宅地の特例】

亡くなった人がアパートや駐車場として使っていた土地は200㎡まで50%引きになる特例があります(アスファルトや砂利のない青空駐車場は不可)。その名も小規模宅地等の貸付事業用の特例です。この特例と自宅80%引きの特例は部分的にしか併用できません。どちらを優先させるべきかの有利判定や限度面積の計算をイラストを使いながらわかりやすく解説しました。

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