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未請求の生命保険金は、課税対象?

こんにちは、税理士の枡塚です。

生命保険金等は、自動的に支払いがされることはありません。受取人が請求をして、初めて支払いがされる仕組みです。

一方、保険に加入したことをご家族が知らない、昔に加入したことにより加入した本人でも契約があることを忘れているなど、生命保険契約の存在を家族が把握できないというケースは増加しています。

万が一のときにご家族がすぐに見つけられるよう、エンディングノート等に取引のある金融機関などと一緒に、契約している保険の種類と保険会社を一覧にしておくと良いでしょう。

保険金の請求には時効がある

保険金を請求しなかった場合、保険法において「これらを行使することができる時から3年間行使しないときは、時効によって消滅する」と定められています。

そのため、未請求の期間が3年を経過した場合には、それまで支払いをした保険料が無駄になってしまいます。

生命保険金の請求方法については、こちらで詳しく解説をしています♪

保険金未請求の場合の相続税申告

保険契約に加入していたことが判明したものの、相続税申告までに請求することができなかった場合、当該生命保険金の取り扱いはどうなるでしょうか。

相続税法3条1項1号は、被相続人の死亡により相続人その他の者が生命保険契約の「保険金」を取得した場合におおいては、当該保険金受取人について、当該保険金のうち被相続人が負担した保険料の金額に相当する部分を、相続又は遺贈により取得したものとみなす、としています。

この「保険金」が何を指すかのかというものですが、保険金受取人は、生命保険契約に基づき、保険事故(被相続人の死亡)の発生により保険金請求権を原始取得することになります。同号のみなし相続財産は、この原始取得した保険金請求権も含みますので、実際に保険金受取人が保険金を請求しなかった場合でも、相続税の課税の対象となります。

未請求の場合であっても保険金額は、保険会社に確認すれば判明しますが、なんらかの理由により判明しない、あるいは確認ができない場合には、保険証書等に基づいて受取金額を見積もって申告することになるでしょう。

その後、実際に保険金を受け取った場合で、見積もって申告した保険金額とに差が生じた場合には、修正申告もしく更正の請求を行うことになります。

なお、見積額で申告をした場合であっても、生命保険金の非課税の適用は可能です。

保険金の未請求を回避しよう

これまでは、保険契約の有無を確認する手段として次のようなものが考えられました。

通帳に保険料の引き落とし履歴はないか

年末調整や確定申告において、生命保険料控除の適用を受けていないか

保険会社から送られてくる書類やカレンダー、ボールペンなどはないか

上記のうち、通帳からの引き落とし履歴や過去の確定申告等の記録から、税務調査において指摘を受けて判明するというケースもありました。

このような保険金の未請求を回避するため、有効な手段として、令和3年7月より「生命保険契約照会制度」が始まりました。

この制度は、生命保険契約の手がかりがない場合に、親族等が申し出をすれば、一般社団法人生命保険協会を通じて、生命保険会社へ保険契約の有無を一括照会できるものです。

生命保険契約照会制度については、こちらで詳しく解説をしています。オンラインや郵送でも照会できるようになりました。未請求回避に活用しましょう。

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