円満相続税理士法人 税理士
大学在学中に税理士を目指し、25歳で官報合格。大手税理士法人山田&パートナーズに入社し、年間30~40件の相続税申告に携わりました。丸6年間の実務経験を経て退社。地元関西に戻り、円満相続税理士法人に入社しました。現在も相続税申告を中心に業務に励んでいます!
こんにちは、税理士の枡塚です。
土砂災害により、住民の生命や身体に危害が生ずるおそれがあると認められる区域のうち、一定の区域については、建築物の構造規制が課せられます。そのような宅地については、相続税評価額についても、一定の減価が可能です。
それでは、どのような場合に減価が可能なのか、さらにどのくらい減価されるのかを徹底解説していきます!
土砂災害特別警戒区域とは?
土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律は、土砂災害から国民の生命を守るため、土砂災害のおそれのある区域について危険の周知、警戒避難態勢の整備、住宅等の新規立地の抑制、既存住宅の移転促進等を推進しようとするものです。
土砂災害のおそれのある区域について、都道府県が基礎調査を行い、結果に応じて、『土砂災害警戒区域』または『土砂災害特別警戒区域』の指定を行います。
土砂災害警戒区域とは、いわゆるイエローゾーンと言われる区域で、土砂災害が発生した場合に、住民の生命または身体に危害が生ずるおそれの地域で、警戒避難体制を整備すべき区域のことをいいます。
また、土砂災害特別警戒区域とは、いわゆるレッドゾーンと言われる地域で、土砂災害が発生した場合、建築物に損壊が生じ、住民の生命または身体に著しい危害が生ずるおそれのある地域で、一定の開発行為の制限や居室を有する建築物の構造が規制される区域のことをいいます。
減価の対象となる宅地は、レッドゾーン(土砂災害特別警戒区域)にある宅地です。
確認方法
各都道府県・市区町村のHPにて確認が可能です。
大阪府のHPから検索をしてみました。意外と減価できる宅地が点在していることがわかります。
近くに渓流や斜面などがあるような宅地の評価をする場合には、必ず確認をしましょう。
評価方法
土砂災害特別警戒区域にある宅地については、次の方法で評価をします。
自用地としての評価額×特別警戒区域補正率
特別警戒区域補正率は次の通りです。
Q&A
イエローゾーンにある場合
イエローゾーンには減価はありませんか?
イエローゾーンにある宅地は、土砂災害特別警戒区域内にある宅地の評価減は適用できません。しかし、利用価値が著しく低下している宅地の評価によって、評価減できる可能性があります。
しかし、利用価値の著しく低下している宅地の評価は、評価対象地が付近にある他の宅地の利用状況からみて、著しく利用価値が低下していると認められる場合に適用が可能です。
また、路線価や固定資産税評価額または倍率に、利用価値の著しく低下している状況が既に考慮されている場合には、評価減はできません。
イエローゾーンの場合、付近一体がイエローゾーンであり、既に路線価や固定資産税評価額が減価していることが考えられますので、評価減が難しい可能性が高いと考えられます。
倍率地域にある場合
倍率地域の場合、減価はできますか?
倍率地域に所在する特別警戒区域内にある宅地については、評価減できません。
特別警戒区域内にある宅地の固定資産税評価額の算定においては、特別警戒区域の指定による土地の利用制限等が土地の価額に影響を与える場合には、その影響を適正に反映されることとされています。そのため、特別警戒区域に指定されたことに伴う宅地としての利用制限等による減価は、既に固定資産税評価額において考慮されています。
まとめ
この減価は、平成31年1月1日以降の相続・贈与について適用されるものです。
比較的新しい取扱いであるため、減価漏れに注意しましょう。
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