円満相続税理士法人 税理士
学生時代に税理士試験の受験を始め、在学中に4科目取得し群馬県の会計事務所に就職。売上規模数十億円の企業の法人税、相続税を担当しつつ25歳の時に税理士試験合格。
皆さんこんにちは。
円満相続税理士法人、税理士の加藤です。
今回は住宅資金の非課税贈与について、間違えやすいポイントを一覧として紹介します。
もし手続きを間違えてしまうと、思わぬ贈与税が発生してしまうかもしれませんので、ぜひ最後までご覧いただければと思います。
なお、住宅資金の非課税贈与については、次の記事でも解説をしておりますので、こちらも併せてご確認ください。
受贈者の年齢要件
住宅資金の非課税制度の受贈者の年齢は、贈与を受けた年の1月1日時点で18歳以上であるかどうかで判断する。
贈与を受けた日において18歳以上であっても、その年の1月1日に17歳である場合には適用できませんので注意してください。
不動産そのものを贈与した場合
住宅資金の非課税制度は、住宅の新築・取得・増改築等に充てる「金銭」が対象となる。
住宅用の土地や建物自体を贈与したときは、特例の適用は受けられない。
新築分譲マンションの購入
新築分譲マンションを購入したときは、「新築」ではなく「取得」となる。
住宅資金の贈与があった日の翌年3月15日までに物件の引き渡しを受けていなければ、特例の適用が出来なくなる。
「新築」のように3月15日時点で屋根があれば適用が出来る、ということにはならないので注意してください。
国外にある不動産
住宅資金の非課税制度は、国内にある不動産が対象となる。
よって、国外にある不動産の購入については、特例の対象外となる。
建物の所有条件
新築等をする建物は、贈与を受けた人が所有(持分でも可)する必要がある。
例えば、妻が贈与を受けた金銭を敷地の購入に充て、夫が自己資金で建物を建設する場合などは、住宅資金の非課税制度の対象外となります。
義理の両親からの贈与
義理の両親からの贈与は住宅資金の非課税制度の対象とはならない。
義理の両親と養子縁組をしている場合には対象になるので、間違えないようにしましょう。
床面積の判定
住宅資金の非課税制度の床面積要件(40㎡以上240㎡以下)の判定については、建物が共有である場合においても、建物全体の床面積で判定する。
例えば床面積300㎡の建物を夫婦で1/2ずつ取得した場合、一人当たりの床面積は150㎡(300㎡÷2)になりますが、要件の判定は、あくまでも300㎡で行うので対象外となります。
所得要件
住宅資金非課税制度の要件である所得には、申告分離課税の所得は含まれるが、源泉分離課税の所得は含まれない。
源泉徴収ありの特定口座での収入は、所得要件の範囲には含まれません。
しかし、源泉徴収ありであっても、損益通算等のために確定申告をした場合は所得に含まれることになるので注意してください。
推定相続人以外の者への贈与
住宅資金の非課税制度は、直系尊属からの贈与であれば適用が出来る。
よって、贈与者の推定相続人でなくとも、直系卑属への贈与であれば適用が可能。
例えば、住宅資金の非課税制度は、ひ孫への贈与なども対象となります。
しかし相続時精算課税制度は、推定相続人もしくは孫、であることが要件なので、間違えないようにしましょう。
住宅ローン控除との兼ね合い
住宅資金の贈与を受けた場合には、所得税の住宅ローン控除の対象となる金額は、
「家屋等の取得費ー贈与を受け非課税となった金額」
が上限となる。
ローンの残高がそのまま対象とならないケースもあるので注意が必要です。
住宅ローン返済のための贈与
住宅ローンの返済に充てるための贈与は、住宅資金の非課税制度の対象とならない。
店舗兼住宅の場合
住宅資金の非課税制度は、店舗兼住宅についても適用は出来るが、床面積の1/2以上を居住の用に供さなければならない。
なお床面積要件の判定については、店舗部分も含めた家屋全体の床面積で行います。
各調査の期限
建築後使用されたことのある住宅用家屋の、省エネ等の調査と耐震の調査の期限は、次のようになる。
省エネ等住宅に該当するかの調査
家屋の取得の日前2年以内
又は
取得の日以降
に調査が終了したものが対象。
耐震基準を満たしているかの調査
家屋の取得の日前2年以内
に調査が終了したものが対象。
省エネ等住宅の調査は、家屋を取得した後のものでも対象となりますが、耐震基準については家屋を取得した後に調査をしても対象とならない(耐震改修を行う場合は除く。)ので注意してください。
まとめ
今回は住宅資金の非課税制度について、間違えやすいポイントをご紹介しました。
住宅資金の非課税制度については、今回ご紹介した論点の他にも、色々と細かい要件などがありますので、もしご不安なことがあれば税理士に相談をしてください。
弊社では相続税、贈与税を専門とする税理士が、最初から最後まで対応いたしますので、何かあればお気軽にお問い合わせください!