現在の法律では、夫婦の財産は『夫婦別財産』であり、結婚後であっても夫が得た財産は夫のもの、妻が得た財産は妻のものと考えます。
専業主婦が家事育児をしっかり行い、夫が稼いだお給料をやりくりしながら、生活費の残りを妻名義の預金に貯蓄していても、そのお金は、夫の財産とみなされ、夫が亡くなったときに相続税の課税対象のなるのです。
では、どのような場合に、夫の財産とみなされてしまうのでしょうか?また、その場合の対策は?徹底解説します。
円満相続税理士法人 税理士
大学在学中に税理士を目指し、25歳で官報合格。大手税理士法人山田&パートナーズに入社し、年間30~40件の相続税申告に携わりました。丸6年間の実務経験を経て退社。地元関西に戻り、円満相続税理士法人に入社しました。現在も相続税申告を中心に業務に励んでいます!
専業主婦のへそくりは相続財産?!
平成19年10月4日国税不服審判所より、専業主婦のへそくりは相続財産であると認定され、追徴課税がかされた裁決があります。
事件の概要と、相続専門人気YouTuber税理士の見解はこちら♪
この裁決から読み解ける”真実の所有者は誰なのか?”を判断する際に、重要となるポイントは下記の通りです。
その預金の基となるお金をゲットしたのは誰か?
その預金を管理していたのは誰か?
生前贈与が行われていたかどうか?
夫婦間でも贈与契約書を作成!
多少面倒ではありますが、夫婦間でも贈与契約書を交わしましょう。
贈与の契約は、口頭でも成立します。しかし、「生活費として渡したお金の残りは、妻にあげる。」と夫が言った場合であっても、生前贈与とは認められないという裁判例があります(東京地裁昭和59年7月12日判決)。そのため、証拠として書面での贈与契約書を作成することをお勧めします!
夫婦間で雇用契約を締結?!
では、贈与として妻にお金を渡すのではなく、「家事サービス業」というような形で、夫が妻を雇用し、妻に給与を支払った場合にはどうなるでしょうか?
こちらについては、判例等もなく、明確な取扱いについては、言及できません。
もしも、この方法で、妻にお金を渡すのであれば、様々な注意点があると考えます。
・第三者との雇用契約と合わせる必要がある(勤務時間や給与体系など、同種のサービス業と合わせる必要があります。例えば、著しく勤務時間が短いのにも関わらず、給与が高額な場合には、贈与と認定されるでしょう)
・所得税・住民税・社会保険料など、余計な出費が伴う(専業主婦である場合には、夫の配偶者控除の適用もできなくなる可能性があります)
・管理をしっかりと行う(夫は妻を事業として雇用するわけですから、例えば勤怠管理など、しっかりとした管理体制が必要になると思われます)
ご参考になれば幸いです。
本気で相続を学ぶコミュニティに参加しませんか?(^^)/
オンラインサロンへの加入はこちらから♪