今月のニュース
2025新年会@大阪!
大宮事務所の大久保です!
2025年1月17日(金)、4拠点のメンバーが大阪に集合し、お洒落なフレンチのお店で新年会を開催しました!
円満の新年会や暑気払いには家族の参加も大歓迎♪小さなお子さん6人も新年会を賑やかに盛り上げてくれました。
恒例の“今年の抱負を一言!”のコーナーでは、一人ずつ順番に抱負を発表。
仕事の意気込み、ハッピーな報告、新しいチャレンジ等、円満メンバーの個性あふれるスピーチで親睦が深まったと思います。
翌日は、希望者で京都観光をしました。
人生初京都のメンバーがいたので、やっぱり清水寺だよね!ってことで清水寺へ。晴天に恵まれ、市内を一望できる素晴らしいパノラマを堪能。
インバウンドの観光客で賑わう中、定番のお土産を購入したり、メンバーおススメのわらび餅を食したり、久しぶりの京都を楽しむことができました。
円満は2025年も発信していきます!
昨年、弊社税理士に、書籍の出版、テレビ・ラジオ・雑誌等のメディア出演の機会をいただきました。
2025年もそのような機会をいただきながら、YouTubeの発信を継続し、この円満相続マガジンや、インスタグラム、X、ブログでの情報発信にも力を入れていきたいと思います!
お問い合わせの際に「ぶっちゃけ相続を読みました。」、「YouTubeを見てお問い合わせしました。」とお伝えいただくことも増えており、大変励みになります。
2025年も相続税に関する知識・情報は勿論、弊社の会社情報や採用情報も積極的に発信してまいりますので、是非ご覧くださいませ。
インスタグラム:https://www.instagram.com/enman.souzoku/
ブログ:https://osd-souzoku.jp/blog/
不動産の賃貸借契約について~民法と借地借家法の違いをおさえよう!【税のトピック1】
こんにちは!円満相続税理士法人の湯本です。皆さんが普段何気なく結んでいる不動産の賃貸借契約ですが、法律上の取り扱いをしっかりと整理できていますか?
不動産の賃貸借契約に係る法律は、民法によって定められています。
民法では、すべての人が差別なく、平等に権利義務の主体となることができるとされています。
よって、不動産の賃貸借契約は、貸主と借主は対等な力関係にあることが前提に締結されます。
ですが、現実は、借主は『あくまでも、人のものを使わせて貰っている』という立場になりますので、やはり貸主に比べると借主の方が弱い立場に置かれます。
そこで、民法に代わる特別法として、借地借家法という法律を定めることにより、借主の立場をより強い力で守ろうとなっています。
今回は、不動産の賃貸借契約でも、特に土地の賃貸借契約にスポットを当てて、民法と借地借家法とでどのように取扱いが異なるのかを解説していきます!
民法上の賃貸借契約
⑴定義
まず、賃貸借契約に係る“賃貸借”とは、民法第601条において、賃料の授受をもって物の貸し借りをする契約と定められており、これは不動産に関わらず、全ての物の貸し借りに適用される大原則的な考え方ということになります。
⑵賃借権の対抗力
第三者賃借権(ここは僕が借りているものだよ!)を主張するポイントは大きく2つあります。
❶土地について賃借権の登記をすること
❷建物に所有権登記を入れること
つまり、土地か建物の登記簿に『これは私の賃借権(又は、建物)ですよ』と記載しておくことが必要ということになります。
登記をして自身の権利を主張することを、対抗要件を満たす(対抗力がある)なんて言ったりします。
⑶賃貸借契約の終了事由
民法上の賃貸借契約は、大きく次の4つに該当する場合、終了することになります。
❶期間の満了(50年が限度)
民法上の賃貸借契約は、原則として50年が限度になっています。
❷解約の申入れ(期間の定めがない場合が前提)
❶では、期間を定めていることが前提となっていますが、中には特に期間を定めないで賃貸借をしているような場合もあります。
その場合は、『もうそろそろ、賃貸借を終わりにしませんか?』と、解約の申入れをすると終了します。
解約の申入れがあった場合は、その解約の申入れ後、土地と建物とでそれぞれ1年(土地)、3カ月(建物)の期間を経過すると、賃貸借契約が解除されます。
❸契約解除
文字通り契約解除により終了します。
❹賃借物の全部滅失
例えば、賃貸借契約の対象物である建物が災害で滅失してしまった場合など、実質的に使用収益できなくなった場合にも賃貸借契約は自動的に終了します。
借地借家法上の賃貸借契約
⑴定義
借地借家法とは、建物を所有する目的で土地を賃貸借する場合、もしくは建物を賃貸借する場合に適用される法律です。
借地借家法は、民法の特別法として定められており、民法よりも優先して適用されます。
借地権については、『建物の所有を目的とする』と定義されているため、建物所有を目的としない、賃貸駐車場や一時利用の目的である(所有を目的としてない)建物が建つ土地については、適用されません。
また、賃貸借であることが前提であるため、賃料のやり取りがない使用貸借だと適用されないことに注意しましょう。
つまり、借地借家法に定めのあるものは借地借家法が、借地借家法の定めのないものは民法が適用されるようなイメージです。
⑵民法より優先される点
借地借家法は民法に比べて、借主の立場をとても手厚く保護していますが、具体的に、どのように手厚く保護しているのかを解説していきます。
❶存続期間が最低保証されている点
❶借地権の存続期間
存続期間を契約で定めるのか、定めないのかで取り扱いが異なります。
・存続期間を定めている場合:基本的には契約で定めた存続期間になります。(約定期間)
ただし、30年より短い期間を定めた場合は、自動的に30年に引き上げられます。
※逆に30年以上であれば、どんなに長くてもOK!
・存続期間を定めていない場合:自動的に存続期間は30年となります。(法定期間)
つまり、最低でも30年は存続期間が、保証されているということが言えます。
民法上の賃借権に係る存続期間は、最高で50年間ですので、極端に短い存続期間にされてしまうこともあり得ますし、どんなに長くても50年で打ち止めになります。
そこを、借地借家法で存続期間の最低保証をすることで、借主の権利を盤石な状態にしているわけです。
❷契約の更新がしやすい点
民法上の賃貸借契約は、貸主から解約の申入れがあったり、契約から50年経過すると、基本的に契約が終了してしまいます。
ただ、借地借家法上の賃貸借契約は、借主が、契約が終わってもここに居たい!と主張するとそれが通ってしまいます。
⑶借地権の更新
大きく4つあり、全て通称です。
1.合意更新
文字通り、お互いに合意すれば賃貸借契約が更新されるというものです。
ちなみに、第1回目の更新は更新の日から20年間が存続期間になり、第2回目以降の更新は更新の日から10年間が存続期間になります。
ただし、当事者がこれより長い期間を定めたときは、その期間となります。
2.請求更新
こちらも文字通り、借主が『更新させてください!』と請求すれば更新されます。
ただ、借地上の建物があることが条件で、貸主は正当事由を基に、遅滞なく異議を述べない限り更新を阻止できない、という点がポイントです。
ですので、最もな理由(たとえば、増改築や大修繕をする、賃借人が家賃を滞納している等)がない限り、借主の言い分が優先されることになります。
3.居すわり更新
こちらは、存続期間が終了したとしても、その借地上にいすわり続ければ更新されるというものです。ただし、こちらも借地上に建物があることが条件になります。
4.建替え(再築)更新
借地権の存続期間完了前に、借主が貸主の同意を得て、残存期間を超えて存続するような建物を再築すると、承諾日又は再築日のいずれか早い方から20年間、賃貸借契約が継続します。
ただし、残存期間が上記より長い場合や、当事者がこれより長い期間を定めたときは、その期間になります。
建替えの理由は何でもよく、災害等で滅失した場合でも、特に理由もなく取壊して再築するということでもOKです。
ちなみに、“再築”であることが要件で、“増築”では更新できません。
おわりに
今回は、不動産の賃貸借契約でも、特に土地の賃貸借契約にスポットを当てて、民法と借地借家法とでどのように取扱いが異なるのかを、解説させて頂きました。
実は、借地借家法は非常に深い法律なので、更に掘り下げていくと更新されない定期借地権というものがあります。
また、借地権の評価額の算定、それに基づく税務上の取扱いなど、一度では語り切れないほど多岐にわたります。
円満相続税理士法人では、中でも税務上の取扱いについて、日々研究を重ねておりますので、借地権の税務上の取扱いについて、お悩みの方は是非お問い合わせください!
負担付贈与【税のトピック2】
東京事務所の税理士 荒川です。今月号は、少し難しい税金のお話しを解説いたします。ご紹介するのは「負担付贈与」と呼ばれる税務論点で、特に賃貸不動産の贈与を検討している方必見の内容です。
一般的に贈与であれば、「財産を受け取った人」が「贈与税」という税金を支払う、という課税関係になります。
しかし、「負担付贈与」に該当した場合、上記に加えて、「財産を渡した人」に「所得税および住民税」の負担が発生する可能性があります。
贈与なのに所得税および住民税の負担が発生する可能性があるため、知らずに贈与をしてしまい、想定外の税金が発生しないようにこれから解説していきます!
国税庁HPにて、負担付贈与とは、受贈者に一定の債務を負担させることを条件にした財産の贈与をいいます、と解説されています。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/zoyo/4426.htm
これではわかりにくいので、言い換えますと、財産を渡す時に、借入金等の債務を一緒に負担させることを約束した贈与は、通常の贈与ではなく、負担付贈与に該当するよ、ということです。
もっとかみ砕きますと、プラスの財産とマイナスの財産をセットで渡しますよという贈与ですね。
よくあるケースとして、ローンの残債がある賃貸不動産をお子様に贈与する場合で、事例を基に解説していきます。
基本的に、上記事例では、負担付贈与の課税関係は以下の通りになります。
一番のポイントは、財産を渡した人に所得税および住民税の負担が発生する可能性があるという点です。
なぜ、贈与なのに所得税および住民税の話がでてくるのか、これは租税回避行為を防止するためです。
詳しく解説はしませんが、以前は、贈与税の負担回避の手段として負担付贈与が利用されていた経緯がありました。
負担付贈与の課税関係(考え方)
受贈者(贈与税):(贈与された財産の価額(時価)-負担する債務の金額-基礎控除)×贈与税率-税率ごとの控除額=贈与税額
贈与者(所得税および住民税):(負担する債務の金額-不動産の取得費)×20.315%=所得税および住民税額
※敷金相当額の贈与も必要です。
課税上は現金と敷金で相殺されることが想定されるため、記載は省略しています。
※所得税および住民税の税率は、20.315%という前提で記載しています。
負担付贈与の課税関係(事例)
不動産の時価:1億円
不動産の取得費:4千万円
ローンの残債:6千万円
※贈与税は特例税率を適用し、所得税および住民税の税率は、20.315%という前提で計算しています。一定の仮定により計算しておりますので、イメージをつけるための参考までにご確認ください。
受贈者(贈与税):(1億円-6千万円-110万円)×50%-415万円=1,530万円
贈与者(所得税および住民税):(6千万円-4千万円)×20.315%=406万3千円
上記事例は、ローンの残債がある賃貸不動産の贈与という事例でしたが、ローンの残債がなくても敷金の預かりがある賃貸不動産であれば不動産だけ贈与してしまうと、負担付贈与に該当してしまいます。
これを回避するためには、敷金と同額の現金を一緒に贈与してあげる必要があります。
こちらについては、国税庁HPにも照会回答が公表されています。
https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/sozoku/14/08.htm
賃貸不動産の贈与については、以下のブログで詳細に解説しています。
今月号は、贈与なのに、所得税および住民税負担の可能性がある負担付贈与、について解説いたしました。
税金の世界は、思わぬ落とし穴がたくさんあります。
そのため、必ず専門家に相談してから、贈与等の生前対策をするようにしましょう!
円満相続税理士法人からのお知らせ
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編集後記(橘の日常)
皆さんは、すでに遺言書を書かれていますでしょうか?
現在、私は37歳ですが、すでに遺言書を書いて、法務局に保管をしています。
特に病気をしているわけでもありませんが、人様に遺言書の作成を勧める仕事をしていますので、まずは自分自身がしっかりと作る必要があると思いました。
遺言書を書くときには、コツがあります。
まず、気負い過ぎないことです。
”遺言書”と聞くと、どうしても身構えてしまう方が多いのですが、遺言書は何度でも書き換えることができますし、撤回もいつでも可能です。
また、所有している財産のうち、一部分にだけ効力を持たせる遺言も有効です。
例えば、
自宅は妻に相続させる。その他の財産は、相続人が話し合いで分け方を決めること
こういった形でも有効です。
内容を完璧に決めてからでないと、なかなか書く気にならないかもしれませんが、人はいつ亡くなってしまうかわかりません。暫定的なものでもいいので、一度は遺言書を作成し、毎年書き直すくらいの軽い気持ちでいいと思います。
また、遺言書を作成するうえで、大切なことは、付言事項(ふげんじこう)という、家族にあてたメッセージを残しましょう。付言事項があることで、多少なりアンバランスな遺産の分け方になったとしても、残された家族の納得感が得られ、円満な相続につながります。
付言事項には法的な効力はありませんが、遺言書の内容が、その方の本意であることを裏付ける重要な要素になりますので、ぜひ、家族に向けたメッセージも考えてみてくださいね。
私も、前に遺言書を書いてから、だいぶ時間が経ったので、そろそろ新しい遺言書に書き換えようと思っています。
たまに、
遺言書なんて、縁起の悪い話はやめてくれよ…
と、言われることがありますが、私は遺言書や相続について、しっかりと考えることは、縁起の悪いことではないと思っています。自分の終活をしっかりとしていれば、『私はいつ死んでも大丈夫!』と前向きになれる気がしています。
私には、現在2歳の息子がいるので、今だけは死にたくない想いがありますが、こればっかりは神様のみぞ知ることです。万が一のことがあっても、家族や会社の仲間達が平穏に暮らしていけるように、私自身の終活もきっちりやっておこうと思いました。
今月も最後までお読みいただき、ありがとうございました(^^♪