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公正証書遺言とは?費用や必要書類、証人や無効、検索を優しく解説

公正証書遺言

【この記事の執筆者】

相続税の研究を愛する相続専門の税理士。23歳で税理士試験に合格し、国内最大手の税理士法人で6年間の修行を積んだのちに独立。円満相続税理士法人の代表を務める。

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こんにちは!相続専門の税理士の橘です。今回は、遺言書の中でも安全度が非常に高い、公正証書遺言について徹底的に解説していきます。

 

公正証書遺言とは、公証役場という所で、公証人という人が作ってくれる遺言書です。公証人とは、裁判官や検事を過去にしていた方が多く、一言でいえば法律のプロ中のプロです。

 

そのような公証人が作ってくれる遺言書なので、安全性と確実性が非常に高い遺言書です。

公正証書遺言

出来上がりはこんな感じです。

公証役場とあるので、よく「市役所の中にあるのですか?」と質問されるのですが、公証役場は市役所や区役所の中にはありません。行政とは独立している組織なので、まったく別の所にあります。(公証役場の一覧はこちら)

 

公正証書遺言の最大のメリットは2つあります!

 

1つ目は、形式不備で無効になることはありません。法律の専門家である公証人が作成するので、しっかりとした遺言書が出来上がります。

2つ目は、公正証書遺言は、公証役場で預かってもらえること!自筆証書の場合には、遺言書を紛失してしまうケースが非常によく起こりますが、公正証書遺言であれば、そのようなリスクはありません。

 

ちなみに・・・

遺言検索システム

亡くなった人が生前中に、遺言書を作ったことを家族に伝えていないケースも存在します。この場合、自筆証書遺言であれば、家族が見つけてくれなければ永久に闇のままです。その場合には、遺言書は無いものとして取り扱われてしまいます。

 

しかし、公正証書遺言の場合には、公証役場にいくと「遺言検索システム」というシステムがあります。このシステムを使えば、亡くなった人が生前中に公正証書遺言を作っていたかどうかがすぐにわかります!

 

亡くなった人の戸籍謄本と、その人の相続人であることが確認できる書類(相続人の現在の戸籍謄本)と、本人確認書類(免許書など)があれば、どこの公証役場でもシステムを使うことができます。

 

なお、このシステムは、ご健在の人に対しては使えません。例えば、母が健在のうちから「うちの母が、私にとって不利な遺言を作ってるんじゃないか調べることはできないかしら?」と、遺言の有無を公証役場に聞くことはできないのです。

公正証書遺言の作り方

「よし!公正証書遺言を作ろう!」と思い立ったが吉日!実際に公正証書遺言を作る流れを解説します。

 

まず、いきなり公証役場に行って「あのー。公正証書遺言を作りたいんですけど」と伝えても、その日のその日に作れるわけではありません。初めに、公証役場に遺言書の原案を作ってもらう必要があります。最寄りの公証役場に電話をして、「公正証書遺言を作りたいのですが、どうすればいいですか?」と聞いてみましょう。作成までの流れを丁寧に教えてもらえます。

 

遺言書の原案作成までの流れは、

 

1.必要書類を揃えて、そのコピーをメール(PDF)かFAXで公証役場に送ります。

2.希望する遺言書の内容を、公証役場の担当者に伝えます。

3.公証役場の担当者が、遺言書の原案を作成します。

4.できあがった原案がFAXで送られてきますので、内容を確認し、細かい微調整を加えていきます。

5.そして原案が完成します。

 

原案が完成しましたら、いよいよ公証役場に足を運んで、公証人から「この遺言書の内容で間違いありませんね?」と遺言内容を読み聞かせられ、内容に問題がなければ署名をして、公正証書遺言が完成します。

 

ちなみに、公証役場に支払う手数料は下記の通りです。

この手数料の計算が少しややこしく、遺言を作る人の財産額で手数料を計算するのではなく、遺言で財産をもらうそれぞれの人が取得する金額をもとに、手数料を計算します。

 

例えば9000万円の財産を、子供3人で相続する場合だと、一人当たり3000万円の財産を相続するので、一人23,000円、合計で69,000円の手数料となります。

 

 

また、公正証書遺言を作成するのに必要な書類は次の通りです。

 

1.遺言書を作る人の戸籍謄本(現在のものだけでOKです)

2.遺言書を作る人の印鑑証明書(発行から3か月以内のもの)

3.相続人の現在の戸籍謄本

4.相続人ではない人に遺産を残す遺言を作る場合には、その人の住民票

5.不動産の固定資産税の納税通知書

6.不動産の登記簿謄本

7.預貯金の金融機関や支店名のわかる資料(残高証明書などでなくてもOK)

などなど・・・

 

必要書類の数は、かなり多くなります。

 

まずは一度、公証役場に電話して、「私が作ろうと思っている遺言書は、こんな感じなのですが、必要な書類を教えてください」と伝えて確認するのが一番確実ですね。

公正証書遺言には、証人2人が必要になります

「よーし!じゃあ、早速、公証役場に電話しよう!」と思ったそこのあなた!ちょっとお待ちください。

 

実は、多くの人が公正証書遺言を作ろうとする時に、つまずいてしまうポイントがあるのです。それは何かというと・・・。証人2人が集められない、ということです。

 

公正証書遺言を作るためには、証人とよばれる人を2人連れて行かなければいけません。そしてこの証人は、近い親族はなれないのです。具体的には、次の人は証人になることはできません。

 

1.遺言を書く人の相続人

2.相続人の配偶者や直系血族 等

 

例えば、父が遺言書を作ろうとする場合には、その相続人である妻や子供は証人になれません。そして相続人の配偶者や直系血族もダメということは、子供の妻や、子供の子供、つまり孫も証人にはなれないということです。

 

証人になれる人(公正証書遺言)

公正証書遺言の証人になれる人となれない人

甥や姪であれば証人になることはできますが、関係が疎遠になっているため頼みづらいという方や、物理的な距離が遠いので、わざわざ来てもらうのも気が引けるという方も多いです。信頼できる友人や知人にお願いする手もありますが、信頼できるとはいえ、全財産を知られてしまうことに抵抗を覚える方も多いです。

 

どうしても2人が集められない場合には、公証役場で証人になる方を紹介してもらうことも可能です。しかし、「全く見ず知らずの人にお願いするのも何となく嫌だ!」という方も多いので、証人の問題は早い内から検討しなければいけませんね(私達の事務所で証人をお引き受けすることもできますので、ご検討くださいませ♪)。

公正証書で遺言を作っても無効にされることはある

自筆証書遺言よりは法的な安全性が高いとはいえ、公正証書遺言であれば絶対に安全かというと、実はそうとも言えません。過去に公正証書遺言が無効にされた裁判例はたくさんあります。

 

何故無効にされたかというと、遺言作成時に遺言者本人が既に認知症等と診断されており、正常な判断ができない状態で作成された遺言と認定されたからです。

 

『おいおい。そもそもそんな状態で公正証書遺言なんて作れるの?』と疑問に思う方も多いと思います。

 

この記事を公証人が読んだら怒るかもしれませんが、これまで多くの公正証書遺言の証人として立ち会ってきた私の経験からお話すると、ぶっちゃけた話、公正証書遺言は意外と簡単に作れてしまいます。

 

公証人と一言に言っても、遺言作成に取り組む姿勢は、結構バラバラです。

 

公証人から遺言書本人に、遺言書の内容を読み上げて「この内容でいいですね?問題なければ、ここに名前書いてください」だけで、ささっと済ませる公証人もいれば、「遺言書を読み上げる前に、まず、あなたがどのような内容の遺言書を作りたいのか、今この場で言ってみてください」と内容を慎重に確認する公証人もいます。裁判で無効とされた公正証書遺言のほとんどは、公証人が読み上げた遺言書に対して本人は「はい、はい。」と相槌を打つくらいの反応しかなかったようなケースです。

 

実際に公正証書遺言を作る流れは、事前に公証役場に連絡して、どのような内容の遺言にするかを公証役場の事務の人に伝え、遺言の原案を作ってもらいます。その原案の内容に問題がなければ、日程を調整し、本人と証人2名を連れて公証役場に行き、公証人が遺言書を読み上げ、本人が内容に問題が無ければ署名して遺言書が完成します。遺言書の原案を作る段階では、遺言者本人以外の人(家族や弁護士等の専門家)が代理で行うことも可能です。そのため、本人は、公証役場に行き「問題ないです」とだけ言えれば、公正証書遺言は作れてしまうのです。

 

ちなみに、公証役場では遺言者本人が認知症の診断を受けていることなどは聞かれません。また身元確認も、実印と印鑑証明書だけあればいいこととされており、実際に、替え玉受験ならず替え玉遺言がされた事件も実在します。

 

この記事の読者さんには、公正証書遺言であっても絶対的に安全ではないことを知ってほしいのと、安全性をより高めるためにできることを紹介します。それが、他の記事でもお伝えしましたが、遺言を作成してから早い時期(できれば一ヶ月以内)に、かかりつけ医から「この人の意思能力は問題ない」と診断書を貰っておくことです。万全を期すのであれば、遺言を作成する前と後に、2回診断書を取っておけばより良いですね。

 

 

遺言を巡る争いの多くは、「この内容は故人の本当の想いではない」という、立証が非常に難しく水掛け論になりやすいことが争点になっています。どこからが認知症か、という線引きは曖昧で難しいですが、少なくとも遺言作成時点において意思能力がはっきりあったことを立証することは比較的容易です。転ばぬ先の杖になるかもしれませんが、家族の絆を守るためにも念には念を入れて対策する姿勢が重要です。

 

最後になりますが、将来相続が発生した時に、どのように遺産を分けるかによって、支払う相続税が何倍も変わることがあります!遺言書の作成は、法律面と税金面、両方から検討したうえで作成するようにしましょう。私達、円満相続税理士法人では相続税対策と遺言書の作成をセットでサポートしています。是非、お気軽にお問合せください(^^♪

 

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