貸付事業用宅地等の小規模宅地等の特例Q&A |東京・大阪・名古屋・大宮の相続専門・円満相続税理士法人
【別居親族でも】貸付事業用宅地等

皆さんこんにちは。

大宮円満相続税理士法人、代表税理士の加藤です。

今回は、小規模宅地等の特例の中でも「貸付事業用宅地等」について、分かりにくい論点などをQ&A方式で分かりやすく解説します。

間違えてしまうと、大きな税負担の増加につながってしまう可能性がありますので、ぜひ参考にしてください。

事業的規模の考え方

Q:貸付事業用宅地等の要件で出てくる「事業的規模」とは何でしょうか?

A:いわゆる5棟10室基準が目安となります。

貸付事業用宅地等に小規模宅地等の特例を適用する場合、その貸付が「事業的規模」か否かが関係するときがあります。

この「事業的規模」とは、社会通念上事業的規模かどうかで判断する必要があるのですが、これだけでは分からないので、以下のように目安が挙げられています。

~所得税基本通達26-9より抜粋~

(1) 貸間、アパート等については、貸与することができる独立した室数がおおむね10以上であること。

(2) 独立家屋の貸付けについては、おおむね5棟以上であること。

これが事業的規模の「5棟10室基準」というものです。

ただ、この要件を満たしていない場合であっても、

賃貸料の収入の状況貸付資産の管理の状況等からみてこれらの場合に準ずる事情があると認められる場合」

には事業的規模と認められることもあります。

例えば1棟しか賃貸物件を持っていない場合でも、その賃料が年間数千万円となるようなケースは、こちらの考え方を採用するということも検討する必要があります。

相続開始前3年以内に建て替えた場合

Q:被相続人は10年以上、建物Aを賃貸していました。

しかし、建物Aが老朽化したため取り壊し、建物Bを建築し、それを賃貸していました。

今回建物Bが建築されてから2年後に相続が発生したのですが、この建物Bの敷地には小規模宅地等の特例は適用できるでしょうか?

A:適用可能です。

貸付事業用宅地等の小規模宅地等の特例は、3年を超えて賃貸をしている場合に適用ができます。

上記の例では、建物B自体は3年を超えた賃貸をしていないので、適用できないのでは?という疑問が生じます。

この点については、継続的に賃貸されていた建物について建て替えが行われた場合で、その建て替えの後、速やかに賃借人の募集をしており賃貸がされたときは、建物Aから継続して貸付が行われていると判断しても良いこととされています。

~租税特別措置法通達69-4-24の3~

措置法第69条の4第3項第4号の「新たに貸付事業の用に供された」とは、貸付事業の用以外の用に供されていた宅地等が貸付事業の用に供された場合又は宅地等若しくはその上にある建物等につき「何らの利用がされていない場合」の当該宅地等が貸付事業の用に供された場合をいうことに留意する。


 したがって、賃貸借契約等につき更新がされた場合は、新たに貸付事業の用に供された場合に該当しないことに留意する。


 また、次に掲げる場合のように、貸付事業に係る建物等が一時的に賃貸されていなかったと認められるときには、当該建物等に係る宅地等は、上記の「何らの利用がされていない場合」に該当しないことに留意する。(平30課資2-9追加)

~略~

(2) 継続的に賃貸されていた建物等につき建替えが行われた場合において、建物等の建替え後速やかに新たな賃借人の募集が行われ、賃貸されていたとき(当該建替え後の建物等を貸付事業の用以外の用に供していないときに限る。)

生計別親族が相続した場合

Q:被相続人が所有していた賃貸物件(土地及び建物)を、被相続人とは同居していない生計別親族が相続しました。

このとき、その賃貸物件には小規模宅地等の特例は適用できますか?

A:適用可能です。

被相続人が貸付事業を行っており、その賃貸物件を相続人が取得するとき、その相続人については同居親族である必要は無く、別居している生計別の親族であっても、小規模宅地等の特例は適用できることとなります。

生計別親族の賃貸物件の場合

Q:被相続人が所有している敷地の上に、生計別親族が賃貸している建物があります。

(なお、敷地部分については地代のやり取りはありません。)

この敷地については、小規模宅地等の特例は適用できますか?

A:適用できません。

被相続人の敷地の上に、被相続人ではない人の賃貸物件が建っている場合、その建物の所有者が被相続人と生計を一にしている場合には小規模宅地等の特例は適用可能です。

上記の場合、生計別の親族が所有する賃貸物件となるので、適用は出来ないこととなります。

生計一親族の建物敷地を別の人が相続した場合

Q:被相続人の所有する敷地の上に、被相続人と生計を一にする親族の賃貸物件があります。

(地代のやり取りは行われていません。)

この敷地を、その親族以外の者が相続した場合、小規模宅地等の特例は適用できますか?

A:適用できません。

生計一親族の貸付事業の用に供されている敷地について、その生計一親族以外の者が相続した場合、その敷地については生計一親族が貸付事業を継続していると見られないため、適用が出来ないこととなります。

建物と敷地を別々に相続した場合

Q:被相続人が所有する賃貸物件のうち、建物を配偶者が、敷地部分を子供が相続した場合、小規模宅地等の特例は適用できますか?

A:適用できません。

貸付事業用宅地等の小規模宅地等の特例は、被相続人の貸付事業を、敷地を相続した人が継続する必要があります。

上記の場合、被相続人の事業を継続しているのは建物を相続した配偶者であり、敷地を相続した子供は継続していないこととなるので、適用は出来ないこととなります。

申告期限までに建て替えた場合

Q:相続人が、被相続人から相続した賃貸物件を、申告期限までに建て替えた場合、小規模宅地等の特例は適用できますか?

A:適用できる可能性があります。

上記のように、被相続人から相続した物件を、申告期限までに建て替えた場合には、「申告期限までに貸付事業の用に供している」には当たらないのですが、その建て替え後の物件を相続人が貸付事業の用に供すると認められる場合には適用が出来ることとなります。

~租税特別措置法通達69-4-19~

措置法第69条の4第3項第1号イ又はロの要件の判定において、同号に規定する親族(同号イの場合にあっては、その親族の相続人を含む。)の事業の用に供されている建物等が同号イ又はロの申告期限までに建替え工事に着手された場合に、当該宅地等のうち当該親族により当該事業の用に供されると認められる部分については、当該申告期限においても当該親族の当該事業の用に供されているものとして取り扱う。

(注) 措置法第69条の4第3項第2号イ及びハ、同項第3号並びに同項第4号イ及びロの要件の判定については、上記に準じて取り扱う。

まとめ

今回は貸付事業用宅地等の小規模宅地等の特例については、間違いやすい論点をいくつか解説しました。

このように、小規模宅地等の特例は細かい論点も多く、一つのミスが命取りになる可能性がありますので、もし分からないこと、ご不安なことなどがあれば、ぜひ一度専門家にご相談いただければと思います。

大宮円満相続税理士法人も、生前の対策から相続税申告まで、相続税専門の税理士が全て担当をしておりますので、お気軽にお問い合わせくださいませ。

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