円満相続税理士法人 公認会計士・税理士
在学中に公認会計士試験に合格し、監査法人、コンサル、公務員を経て、円満相続税理士法人へ入社。相続・事業承継のプロとしてご家族のサポートができるよう業務に携わっています!
こんにちは、円満相続税理士法人の中岡です!
譲渡制限株式とは、会社法2条17号に定義があり、
株式会社がその発行する全部又は一部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要する旨の定めを設けている場合における当該株式をいう。
とされています。
つまり、譲渡による取得について、会社の承認が必要な株式のことです。
今回は、譲渡制限株式を売却する方法について、詳しく解説していきます。
最後までお読みいただければ、譲渡制限株式について分かるようになりますよ♪
譲渡制限株式とは?
自由にほかの人に売却できない株式ですよね?
厳密には、売却は自由にできます!
もう一度、会社法2条17号の定義を見てみますと、
株式会社がその発行する全部又は一部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要する旨の定めを設けている場合における当該株式をいう。
取得について、当該会社の承認が必要とされていますので、売却自体は自由にできるんです。
会社に認めてもらえない場合、株式を取得したけど、会社に株主であることを主張できないというだけです。
ただし、会社に認めてもらえなければ意味がないので、実質的に自由に売買ができないということになります。
種類株式の1種
譲渡制限株式は、種類株式の1つです。
種類株式とは、一定の事項について、異なる定めを設けた種類の異なる株式で、「譲渡による当該種類の株式の取得について当該株式会社の承認を要すること」(会社法108条1項4号)を定めることができ、譲渡制限株式を発行することができます。
すべての株式を譲渡制限株式にすることも可
種類株式は、発行する株式のうち一部の株式をさしますが、発行するすべての株式を譲渡制限株式にすることもできます(会社法107条1項1号)。
非上場の企業のほとんどが、すべての株式を譲渡制限株式にしていますので、こっちの方がメジャーですね。
非公開会社
非公開会社というのは、会社法上の用語ではないのですが、
すべての株式が譲渡制限株式である会社を一般的に非公開会社と呼びますので、覚えておかれて損はないと思います。
譲渡制限株式のメリット・デメリット
メリット
会社にとって好ましくない人を株主から排除できる
非公開会社になると、会社法上制約が少なくなる
メリットは、そもそも譲渡制限株式を発行する目的でもありますが、好ましくない人が株主にならないということですね。
デメリット
万が一のときは、買い取らなければならない
デメリットは、後ほど説明しますが、株式を買いたい人が現れて、会社がその人を認めない場合は、会社が買い取らなければならなくなる可能性があるということです。
譲渡制限株式の相続税評価
譲渡制限株式を評価する際は、特段考慮せず、ほかの株式と同様に評価します。
≫非上場株式の評価について詳しく知りたい方は、こちらもご覧ください。
譲渡制限株式を売却する方法
いよいよ本題です。
譲渡制限株式を売却する方法は、次の2ステップです。
買い手を探す
会社に対して譲渡承認を請求する
当たり前ですが、まずは、買い手を見つけないといけません。
そして、次に、売り手または買い手から、会社に対して、この譲渡を承認するか否かの決定をすることを請求します。(会社法136条、137条)
このとき、承認しない場合は、買い取りを請求することもできます。(会社法138条)
なお、会社は、株主総会(取締役会設置会社は、取締役会)で、承認するか否かを決定します。(会社法139条)
譲渡が承認された場合
譲渡が承認された場合は、株主名簿の書き換えをして、完了です。
譲渡が承認がされなかった場合
譲渡が承認されなかった場合で、買い取りを請求していた場合は、会社または指定買取人が買い取らなければなりません。(会社法140条)
会社が買い取る場合は、株主総会の特別決議が必要です。
指定買取人が買い取る場合は、株主総会の特別決議(取締役会設置会社は、取締役会の決議)が必要です。
なお、売却価格は、両者の協議によって決められます。(会社法144条)
譲渡制限株式を相続した場合
譲渡制限株式を相続したけど、会社の承認が必要ですか?
相続は、譲渡による取得に含まれません!
譲渡制限株式の取得について、会社の承認を要するのは、「譲渡による取得」の場合で、これに相続は含まれませんので、相続した場合でも、会社の承認は必要ありません。
相続で好ましくない人が株主になるのは防げないんですか?
防ぐ方法も用意されていますので、次で説明してきます
相続による売り渡し請求
売り渡し請求とは?
定款で定めておくことで、相続により譲渡制限株式を取得したものに対して、その株式を会社に売り渡すことを請求することができます。(会社法174条)
売り渡し請求の手続き
定款の定めがあり、実際に相続人に対して売り渡し請求をする場合には、株主総会の特別決議が必要です。
なお、この決議において、当該相続人は議決権を行使することができません。
一見便利な規定ですが
これで、相続人で好ましくない人が現れても、大丈夫!と思われたかもしれませんが、この定款の定めは諸刃の剣的なところがあります。
例えば、67%の株式を持つ先代経営者が亡くなった場合、残りの33%の株主で特別決議をすれば、先代経営者の相続人に対して売り渡し請求をすることができるのです。
実際は、買い取り資金の問題など課題はありますが、相続人は議決権を行使することができないという点に注意が必要です。
まとめ
今回は、譲渡制限株式を取り上げて、解説しました。
譲渡制限株式や相続による売り渡し請求のリスクについてもご理解いただけましたでしょうか?
譲渡制限株式は、すべての株式の内容とすることもできますが、種類株式の1つの種類でもあります。
種類株式は全部で9種類用意されています。
それらを組み合わせることで、事業承継や相続に活用できる幅がさらに広がります。
≫種類株式について、詳しく知りたい方は、こちらもご覧ください。
譲渡制限株式をはじめ種類株式を活用した事業承継を検討される際は、相続や事業承継に強い税理士に相談してみることをオススメします!
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最後までお読みいただきありがとうございました!