遺産分けの話し合いに相続人の配偶者が口出しすると余計に揉める

円満相続税理士法人の橘です。

「何故、相続人の配偶者が遺産分けに口出しすると余計に揉めるのか?」

私の経験上、相続時に相続人の配偶者が介入する事で、揉めてしまうケースが多々見受けられます。何故そうなってしまうのかその原因と解決策について考えましょう。

遺産の分け方のルール

遺言書がある場合には遺言書に沿って行い、無い場合は遺産分割協議を相続人全員で行い、相続人全員の合意をもって財産の分け方を決定します。

そもそも、遺産の分け方には大きなルールがあります、遺言書がある場合には遺言書に沿って行い、無い場合は遺産分割協議を相続人全員で行い、相続人全員の合意をもって財産の分け方を決定します。

つまり、全員の合意が得られるまで遺産分割協議書が作成できない状況が続き、場合によっては家庭裁判所での遺産分割調停も必要となってまいります。

ここからは、具体的な場面を想定してみましょう。

このご家族は、お父様が亡くなりになり、お母様、長女、次女と3名の相続人がいるという設定です。
いざ相続が発生してみると、3名とも相続の事は良くわからないし、お金の事も良くわからないと頭を抱えていました。

そこで、登場したのは、次女のご主人

私はあくまでも中立の立場で話しをまとめますよ

と善意で引き受けてくれました。

本当に良くあるパターンですが、ここで是非覚えておいて頂きたいのは、いくら善意であっても

「中立の立場にはなれない」

ということです。

ここで出てくるのは、「利益相反」という言葉です。

利益相反とは簡単にご説明すると、一人の方が得をすると、もう片方の方が損をする関係の事を言います。

「利益相反」と言う言葉です。利益相反とは簡単にご説明すると、一人の方が得をすると、もう片方の方が損をする関係の事を言います。

今回のケースでは、お母さん、お姉さんが沢山相続をすると、妹さんの相続は少なくなりますし、妹さんが多く相続するとお母さんお姉さんの相続は少なくなるという事です。
当然、妹さんの相続が多くなれば夫婦の財産なので、ご主人も得をすると言う立ち位置となります。

このような立場の中で、ご主人本人は「自分は中立の立場だよな~」と思っていらっしゃる訳ですが、一方ほかの方々はどう思われているでしょうか?

そもそも、「休日を返上して手伝ってあげているのに、そんな言い方はあんまりだ!」とここで揉めてしまう事もありますしそう言われても、お母様お姉さまも引くわけにもいかず、

「そもそも、あなたは相続人ではないでしょ!!」となってしまいました。


更に、それを聞いていた長女のご主人も、黙ってられなくなり、参戦という事になってしまいました。私の経験ではこのパターンは大変多いですね。最初どちらかの配偶者がお手伝いされていて、更に他の相続人の配偶者も協議に後から入ってくるケースです。こうなると本当に揉めて泥沼に入ってしまうケースがありますね。

ここで大切なのは、自分は「中立の立場で」と思っていても、他の人からはそう思われていないので、話し合いの場に参加するのは避けましょうということです。
「利益相反」の考え方もご説明いたしましたが、遺産分割協議はあくまでも相続人同士の話し合いですので、配偶者の方はなるべく話し合いに参加されない方がよろしいと思います。

この問題が発生しやすい家庭の特徴

この3項目にあてはまるご家庭の方は良く注意してください。

お金の事は亡くなった人に任せていた


お父さんに任せていて、お母様はお金の事は全くわからないケース、生前は全く問題ないのですが本当にこれは困るケースです。

相続人はお金に無頓着


相続の話し合いの場では、私はお金に無頓着だからとあまり口を挟まない方がいらっしゃいますが、やはり大切な事ですので、ある程度は関心を持っていただきたいと思います。その時は良くても後でよく考えてみたら、その分け方はおかしいのではと言い出す方もいらっしゃいますしね。

配偶者が仕事柄、お金や法律に詳しい


配偶者の方がお金や法律に詳しい方の場合、やはり「私が間に入りましょう」となるケースが多くなります。もちろん善意で引き受ける訳ですが、結果的に争いの元になってしまうケースもございますので、ご注意ください。

こういった問題の解決方法として、私がお勧めしているのは・・・

相続に纏わる法律やお金の事はある程度、勉強しておきましょう。

相続が発生した場合、それなりの大きなお金や財産が動くわけですので、揉め事となる事を回避する意味でも、最低の知識は身につけておいて頂きたいと思います。

もし相続が発生してしまった時の事も考え、相続の勉強もしてみましょう!!

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