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相続トラブルの原因は預金の使い込み!実話から学ぶ対策とは

相続トラブルの原因

【この記事の執筆者】

相続税の研究を愛する相続専門の税理士。23歳で税理士試験に合格し、国内最大手の税理士法人で6年間の修行を積んだのちに独立。円満相続税理士法人の代表を務める。

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相続争いの典型例と言っても過言ではないのが、故人の預金を生前中に相続人が横領していたことが発覚するケースです。これが原因で争いに発展するケースは、非常に多いです。

 

親に介護が必要な状態になると、親の通帳・印鑑・キャッシュカードを同居している子供が管理するようになることは世の中で広く一般に行われていることです。もちろん、両者が同意をしているなら法律上も問題ありません。

 

しかし、相続が発生した後に問題が表面化するのが、親の通帳からの現金引出しの使い道についてです。

親と同居している子供は、親の食費、医療費、その他介護に必要な金額を確保するために、親の通帳から現金を引出すのですが、いざ相続が発生すると、他の相続人から「生活費や医療費にしては、現金の引出し額が多すぎるんじゃないか?ネコババして現金を隠しているだろ!」と、疑いをかけられることがあります。疑われた方は「母の介護を私一人に押し付けたくせに、そのうえ、ネコババしてるですって?いい加減にしろー」と憤慨されることが多々あります。

預金の使い込み

正直、銀行から現金で引出したお金を、何にどれくらい使ったかを明確にするのは、領収書が無い限り不可能です。ただ、専門家として客観的にみても、「いや、この引出し額を全て生活費で使ったと主張するのは無理でしょ‥」と感じる引出し方をされている方も結構います(;^ω^)具体的に言えば、年間で1000万近くとか。

 

80代くらいのお年を召された方は、すでに子育ても、住宅ローンの返済も終えられている方が殆どです。そのような方にとって、現金で支払いが必要で、かつ、内訳不明となる出費というのは、実は、非常に限られています。

 

水道光熱費や通信費、固定資産税の支払いは通帳から自動引き落としになっていることも多いので、現金は使いません。医療費については、現金で支払うことも多いですが、所得税の確定申告をしている人であれば、医療費控除の金額を辿れば金額を把握することができます。施設に入っている方であれば、施設の利用料の明細を取り寄せれば、そこに食費等々が記載されていますので、生活費の内訳を把握することができます。そうすると、本当に現金で支払い、かつ、内訳のわからない出費は、食費や旅行費くらいです。

 

それを踏まえると、「80代のお婆ちゃんが、年間で、食費や旅行費として現金1000万使った」という主張は、ちょっと難しいですよね。食費や旅行費として使った金額が、仮にせいぜい300万くらいだったとしたら、差額の700万はどこに行ってしまったの?という話になります。

使い込みの原因は、法制度にも責任があると思う

「横領」とだけ聞くと、それをした人が100%悪い、と聞こえるかもしれませんが、私は一概に横領した人だけが悪いとは思えません(横領を推奨しているわけではないですよ)

 

というのは、別の記事でも紹介した、介護の苦労を救済するための寄与分が、うまく機能していないことが一番の根本原因だと私は考えています。もしも、同居している親が何も相続対策をしないまま、認知症を発症してしまった場合には、遺言書の作成も生前贈与もできなくなります。介護をした相続人の苦労が報われるためには、相続が発生した後に、他の相続人に介護の苦労分を納得してもらうか、家庭裁判所で寄与分を主張する以外に方法はなくなってしまいます。

 

しかし、他の相続人は納得してくれる様子もなく、寄与分が認められるのも難しそう、ということが事前にわかれば、介護を献身的に行っている方は、横領する以外に自分の苦労を晴らす方法が無いのです。

 

当然、人の財産を勝手に自分のものにする行為は違法であり、許されるものではありません。ただ、認知症の親の介護を付きっきりでされている方のお話を聞くと、介護を手伝わない他の兄弟姉妹を不満に思う気持ちも大変よくわかります。この辺りを取り巻く法律がもっと柔軟化してくれることを願っています。寄与分について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください⇩

 

介護の苦労は報われない?寄与分とは

両親の介護を献身的に行った相続人などには、他の相続人よりも多くの財産を相続できる寄与分という制度があります。ただ、現実問題、寄与分はほとんど認められないんですよ(*_*;

横領(使い込み)を疑われないようにするために

本当に横領なんてしていないのに、他の相続人から横領を疑われてしまうケースも多々あります。このような事態に防ぐために私がお勧めするのが、簡単な帳簿を作成することです。

 

親から通帳の管理を任された場合には、①現金でいくら引出しをしたか、②その現金を何に使ったか、を記録に残しておくのです。本当に簡単な形で良いと思います。例えば、一冊のノートを買い、左側のページに現金引き出しの金額、日付、使い道をメモし、右側のページにレシートを糊やホチキスで貼っておく。このくらい簡単なものでも横領をしていなことの立証には十分効果を発揮します。

帳簿(財産管理)

また、相続が発生する前から、お盆や正月に家族が集まるときに、「母の預金はこんな感じで記録をつけて管理しているからね」と家族で共有しておけば、他の相続人も安心ですし、献身的に介護をしてくれていることに感謝の念も増すと思います。

 

現金の使い道はブラックボックスになりがちですが、あえて使い道をはっきりさせることで、大きなトラブルを防ぐことができます。「過去の繰越済みの通帳は既に処分してしまいました」という方もたくさんいると思いますが、銀行にお願いすれば過去の取引記録を貰うことができます(手数料は高いですが)。※ちなみに、相続が発生した後であれば、相続人は亡くなった方の過去の預金の取引記録を、他の相続人の同意なく、銀行から取り寄せることができます。

 

相続争いを起こさないためにも、親の通帳の管理を任された際には、細心の注意を払うようにしましょう。

まとめ

現在、ご両親の介護をされている方は本当に大変なご苦労をされていると思います。ただでさえ大変なのに、預金の管理にも気をつけなきゃいけないのは、苦労に苦労が重なりますよね。ただ、これが原因で泥沼の争いになってしまっているご家族が世の中にはたくさんいます。そういったことにならないよう、通帳の管理には細心の注意を払いましょう。

 

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