税理士事務所大手

初めて会計業界に就職しようと考えています。
大手税理士法人に就職するか、小さめの個人事務所に就職するか、どちらがオススメですか?

こんにちは、円満相続税理士法人の橘です。

私は、2011年に税理士法人山田&パートナーズに23歳で就職し、2017年に独立開業して現在に至ります。

ご存じの通り、山田&パートナーズは大手中の大手。

人数規模だけでいえば、Big4の次あたりにくるのではないでしょうか?

私は初めての就職で大手税理士法人を選択しましたが、この選択は正しかったと思っています。

そして、これから初めて就職する方にも、従業員が100人を超えるような、大手税理士法人へ就職することをおススメします。

この記事では、大手税理士法人をおススメする理由と、大手税理士法人のデメリットを赤裸々に綴っていこうと思います。

ただ、私は大手税理士法人にしか就職したことがないため、個人事務所の魅力については触れることができません。

かなり偏った意見となりますがご容赦ください。

大手税理士法人に就職するメリット

優秀な税理士仲間がたくさんできる

大手税理士法人は忙しいし、仕事も厳しい。しかし、優秀で向上心の高い人が集まる』というのは本当だと思います(もちろん全員がそうではありませんが)

当時の山田&パートナーズも、2年5科目合格者や、3年6科目合格者などの猛者がかなりたくさんいました(今はどうかわかりません)

優秀な人に囲まれ、大きな規模の案件をたくさん経験していけば、自分の成長が早くなるのは間違いありません

そして何より、そういった先輩、同期、後輩と過酷な日々をともに経験すると、ある種の固い絆が芽生えます。同じ釜の飯を食った仲間というやつですね。

この仲間は、会社を辞めて独立開業した後にも、非常に強い仲間としていつづけてくれます。

難しい税務判断を相談することもできますし、エリア的に対応できない案件をお互いに紹介しあったりと、私も元同僚たちに救われてきました。

そういった、横のつながりがもてたことが、私が大手税理士法人に入ってよかったと感じる一番の理由です。

難しい案件に挑戦できる

大手の良いところは、看板力が強いため、金融機関(銀行や証券会社)から、かなり大口な案件がたくさん紹介されます。

税理士の仕事は、少なからず、大は小を兼ねる性質があります。

私も入社して3年目の時に、一部上場企業の創業家の相続税申告を担当させてもらいました。

資産規模は30億円前後。

もちろん税務調査にも選ばれ、非常にスリリングな経験をしたことを覚えています。

結果として、調査は軽微な修正だけで済み、名義預金等の大きな論点は全て是認を勝ち取れました!

その時はとても嬉しかったですね。

こういった経験は、やはり大手税理士法人にいないと経験することはできないかもしれません。

給与が良い

絶対的ではありませんが、世の中の個人税理士事務所と比べると、給与は良いと思います。

私の場合、入社時(23歳)は4科目(簿財法消)で年棒450万でした。

※ただ、当時はみなし残業40時間でしたね。

そこから、470万、510万、550万、700万、800万といった感じで昇給しました。

実際には、ここに残業代や決算賞与がつくのでもう少し高いです。

詳しくはこちらの動画で解説しました。

入社するタイミングにもよりますが、20代でも年収1000万を突破できる可能性は十分ありますので、世の中的には、かなり恵まれているのではないかなと思います。

ただ、税理士業界は、他の一部上場企業などと比べると福利厚生が劣る面は否めないと思います。

退職金がほとんどなかったり、家賃補助や寮などはないですからね。

先輩方は、

給与額面は多いけど、福利厚生等まで勘案した手取額は、一部上場企業に負ける

と言っていました。

大手税理士法人に就職するデメリット

上司は選べない

退職者が多いのも大手税理士法人の特徴です。

私の仲間たちも、たくさん退職していきました。

ただ、一般的に退職する理由は『仕事が忙しすぎて気を病むから』と思われがちですが、それは違います。

一番の真の理由は、『上司と合わない』からです。

大手税理士法人には本当にたくさんの人がいます。

優しくて尊敬されている上司もいれば、大声で部下を怒鳴りちらしたり、机を叩きながら説教する上司もいます。

良い上司の元に配属されれば、大手税理士法人はとても良い環境だと言えますが、パワハラ上司の元についてしまえば、それは地獄といえるでしょう。まさに上司ガチャ。

ただ、これは大手税理士法人だから、というより、どの税理士事務所でも同じことが言えると思います。どの会社にも怖い人はいますからね。

もしも、今この記事を読んでいるあなたが、今後、パワハラ上司の元についてしまった場合、選ぶ道は二つあります。

早々に転職しよう

一つは早々に転職することです。

正直にいうと、大勢の前で怒鳴り散らすというのは昭和の会社では通用しましたが、令和の会社では通用しません。

そういったことがまかり通っている会社に将来性はないと言えましょう。

ただ、早々に転職するのは、かなり強い副作用があります。

それが次の就職活動の際、どうしても『すぐ辞める人』のレッテルが貼られることです。

私もありがたいことに、弊社に応募してくださる方の履歴書を読ませていただくことがありますが、最初に見るのは、転職の回数です。

転職の回数が多い、転職までの期間が短い人を見ると、

嫌なことがあったら、すぐ辞めちゃうんじゃないかな?

という、ネガティブなイメージをもってしまいます。

感覚でいうと、3回以上、1年未満の転職を繰り返してる方は、正直、少し敬遠してしまいます(;´∀`)

1年未満の転職でも1,2回であれば、

たまたまブラックなところに入っちゃったんかな?

と思います。

一日も早く出世する

もう一つの道は、一日も早く仕事をマスターし、上司と同じポジションに出世することです。

実は、私の上司もかなり仕事に厳しい人で、毎日毎日叱られていました。

ただ、私は、その現状を打開すべく、税法を必死に勉強し、営業ノウハウを先輩方から教えてもらい、

橘君は、営業に出た方がよさそうだね

と上司の上司に認めてもらえました。

入社3年目で税理士登録を済ませてからは、私が仕事の責任者になり、その厳しい上司の元で働くことを卒業できました。

パワハラ上司と、厳しく愛のある上司は紙一重です。

できれば、この記事を読んでくださった方は、

一日も早く、この上司から解放されるために、めちゃくちゃ仕事できるようになってやる

と、フラストレーションを前向きなエネルギーに繋げて頑張ってほしいと思います。

とにかく忙しい

上司は良い人なんだけど、忙しすぎるので辞めます

という人もたくさんいました。

なんだかんだで、めっちゃ忙しいですね。

特に確定申告シーズンや、5月末申告法人の対応とかはエグイと思います。

私も、毎年、除夜の鐘を聞くと…

あ~。また繁忙期が始まるのか~。嫌だなぁ

と気持ちが暗くなったのを覚えています。

給与が歩合制ではない

私が独立しようと思った一番の理由は、給与に不満があったからです。

それは、給与額に不満があったわけではなく、給与の算定基準が明確でなかったことに不満がありました。

これはおそらく世の中の大半の会社がそうだと思いますが、給与や昇給の決め方は、会社の中にテンプレート的な基準があり、入社年次に応じて決められていると思います。

そうすると、

頑張っても頑張らなくても給与に大きな差がないなら、頑張らない方がいいのでは?

という気持ちが生じてしまいます。

生命保険会社の営業職みたいに、自分のボーナスに対して明確な算定基準があれば、もっともっと頑張れるのに!

といつも思っていました。

税理士を目指した一つの理由に、『たくさん稼ぎたい!』という気持ちがあったからこそ、給与の決め方がふんわりしているのが、私的には納得できなかったのです。

※そういった気持ちから独立開業したので、円満相続税理士法人の給与体系は超明確な基準(歩合制)を設けています。

まぁ、これは大手でも個人事務所でも同じなので、ここに書くのは適切ではないかもしれませんね。

【番外編】『経歴に箔がつく』は本当?

大手税理士法人に就職すると、経歴に箔がつきますよね

と思っている方が多くいます。

ただ、それはあまり期待しない方が賢明です。

税理士業界は、世の中的には、非常に小さな業界です。

私達からすると、BIG4やヤマパと聞くと

すごい!

と思うかもしれませんが、一般の方からすると、

え?それどこの会社ですか?電気屋さん?

という感じです。

私もヤマパのマネージャーを2年間経験してから独立しましたが、『元ヤマパ』という肩書は、世間にまったく通用しませんでした

むしろ、元職場の看板を使おうとする姿勢は、今の自分に自信がないことの裏返しです。

今となっては、そのような気持ちは一切ありませんが、独立したての頃は少なからず元職場の看板にすがろうという気持ちがありましたね(今思うと情けない)

ということで、『経歴に箔をつけよう』というマインドは、あまりおススメできません。

独立したら、あなたという看板で勝負しなければいけないのです!

M&Aと資産税は経験した方が良い

これから会計業界に就職する方にオススメしたいのが、M&A業務と資産税業務です。

この二つの業務は、今後、ニーズがますます増えてくる分野だと思います。

私は資産税業務しか経験しないで独立しましたが、これからの時代はM&Aは超重要な業務です。

会社顧問を中心にやる税理士さんでも、後継者不在のため、早々にM&Aを検討しなければいけない事案は多いと思いますからね。

ただ、大手税理士法人でもM&Aを扱っているのは、ごく一部の部署に限られると思います。

積極的に手を挙げて経験値を獲得しましょう!

まとめ

大手税理士法人をおススメするのは、素晴らしい税理士仲間ができること、難しい案件に挑戦できるため成長が早いこと、の二つです。

一方で、仕事が厳しくて大変、給与に限界があるなどのデメリットもあります。

皆さんが最初に就職する際は、ご参考にしていただければ幸いです。

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