

円満相続税理士法人 代表税理士
『最高の相続税対策は円満な家族関係を構築すること』がモットー。日本一売れた相続本『ぶっちゃけ相続』シリーズ10万部の著者。YouTubeチャンネル登録者8.5万人。2022年7月に長男が産まれました。
こんにちは!円満相続税理士法人の橘です。
相続に関係ありませんが、情報商材詐欺の仕組みについて解説します。
情報商材詐欺の仕組みは超シンプルです。
裏側を知っていれば絶対に引っかかりませんが、残念なことにそれを知らない人で引っかかってしまう人が後を絶ちません。
この詐欺のトリックは、会計学(簿記)の知識があれば簡単に見抜けます。
私は詐欺なんかに引っかからないよ
と思っている方ほど足元をすくわれる可能性があるので、是非最後までお付き合いください!
そして情報商材詐欺に限らず、世の中に溢れる詐欺や騙しを見破るためのコツをお伝えしていきます♪
情報商材詐欺の仕組み
まず情報商材詐欺とは、
私のような大金持ちになりたければ、お金持ちになる方法を教えてあげるから、お金を払いなさい
といい、受講生から多額の受講料を徴収する詐欺です。
※厳密には詐欺罪に該当しないケースも多いのですが、詐欺っぽいので『詐欺』と呼ばれています。
【SETP1】お金持ちアピール

高級車フェラーリやブランドの洋服、六本木ヒルズなど、お金持ちの代名詞的アイテムを片っ端から集め、芸能人やモデルなど、華やかな人脈も持ち合わせていることをSNS等で拡散しまくります。
ここでのポイントは貧乏な人を馬鹿にするような口調で煽ることです。
『悪事千里を走る』という諺があるように、このスキームは人の感情を逆なでし、炎上させることで自分の存在を世の中に認知させることが大事です。
なぜならこのスキームは詐欺を仕掛ける側にもタイムリミットがあり、時間的制約もあることから手っ取り早く認知度を広めることのできる炎上商法が必要なのです。
【SETP2】鴨を集める

世の中の多くの人が、
楽して金持ちになりたい
と考えています。
そういった人の欲望を利用して、人を集めます。
一昔前はメルマガが主流でしたが、今はTwitterやTikTokなどのSNSが主流です。
ここのステップには、マーケティング的な要素が非常に多く含まれています。
全ての人を顧客にしようと努力するのではなく、ターゲットを選別する(ふるいにかける)というアプローチです。
そもそも詐欺師たちは、万人にこのやり方が通用するとは全く考えていません。
100人に1人、もしくは1000人に1人でも構いません。
1000人に1人の確率だっとしても、10万にアプローチできれば100人集客できます。
【SETP3】高額情報商材を販売
集まった鴨さん達に『秒速で成功できるお金の稼ぎ方』を販売します。
以上です。シンプルですよね。
こんな方法ですが実際に被害にあっている方が最近も多くいます。
トリックの種明かし
何故このスキームに騙されてしまう人が後を絶たないのか?
その秘密である最大のトリックの種明かしをしていきましょう。それは…
実は、ステップ1の段階で詐欺師は金持ちではない、ということです。
このトリックの肝は、
私のような成功者になりたければ
という前提がありますが、実はその段階においてその人は全然お金持ちではなく、札束や高級車・タワーマンションなどは全て借り物です。
つまり、お金持ちであることを装っているわけです。
私はほんの数か月前まで貧乏でした…。自殺を考えたこともありまさに人生のどん底でした…。
しかしこのメソッドに出会ってから私の人生は急変!今では六本木ヒルズに住み、毎日幸せな生活を送っています。私はこのメソッドに感謝しており、自分だけのものにしたくありません。
そこで限定〇〇名の方に、この方法をお教えします。今すぐTwitterでDMをください。
実際にコンサルティングや塾に申し込みをして、成功者になれる可能性はほぼ0です。
何故なら主宰している人達が、その方法で金持ちになったわけではないからです。
その人たちは鴨さんたちからの受講料で本当のお金持ちになります。
詐欺師たちも焦っている
先ほどこのスキームには時間的な制約があるとお伝えしました。
それは詐欺師たちはこのスキームを始めるに際して、お金持ちであることを装うためにお金を借入ています。
六本木ヒルズに住んだり高級車を用意したり、芸能人と写真を撮ったりなど、本当の金持ちであることを装うためには、実際にキャッシュが必要になります。
恐らく銀行からではないと思いますが、いずれにしても、先に借入をしていることは間違いないでしょう。
そうするとその借入を返済するためにも、早い段階から売り上げを計上していく必要があります。なので、短時間で認知度を広めることができる炎上商法を使います。
この一連の流れがうまくいけば、偽物のお金持ちとしてスタートした詐欺師たちは、本当の金持ちになることができます。
そしてますます
俺は秒速で金持ちになった!
と豪語できるので、より一層信者が集まるというスパイラルが出来上がります。
高額情報商材を詐欺で訴えるのは難しい?
こういったやり方が詐欺なのかというと、恐らく詐欺には該当しません。
詐欺師たちも馬鹿ではないので、勧誘の際に絶対的に成果を保証するようなことは言いません。
『自分の頑張り次第』『全員が成功するわけではない』『本当に人生変えたい人だけが挑戦すべき』というようなワードを随所に散りばめているでしょう。
これは参加者のモチベーションをあげるためというよりは、詐欺罪で訴えられた時のリスクヘッジのためです。
実際に、契約してからクーリングオフの期間が過ぎた後であれば、返金に応じてもらうのは難しいのではないかと思います。そのあたりは弁護士に尋ねましょう。
トリックを知ってから詐欺師の勧誘動画を見ると、とても滑稽に感じますが、トリックを知らない人からするとそれが人生の希望に見えてしまうのかもしれませんね‥‥。
情報商材詐欺に騙されないために
今回は、税理士という立場で情報商材詐欺を解説しましたが、このスキームというのは世の中に溢れる『騙しのテクニック』がたくさん織り込まれており、反面教師的な題材として学ぶべきポイントがたくさんあります。
まずこのやり方の一番のポイントは『金持ちでないのに、金持ちであると信じ込ませること』にあります。
これは実際には全然資産のない人でも、多額の借入をすれば、一瞬で多くの資産を持っている人に見せかけることができることです。
例えば全財産が10万円の人でも、1億円のお金を借りれば、次の瞬間から1億10万円の資産持ちになることができます。
情報商材詐欺師たちが、フェラーリに乗ったり、ブランド物の洋服を着ていたり、六本木ヒルズに住んでいたとしても、その人たちがいくらの借金を抱えているかは、外からは全く見えません。
俺たち成功者だぜ
という顔をしていれば、あたかも借入などはなく、本当の資産家に見えてしまいます。
会計学(簿記)の知識があれば
このことは、会計学の知識のある人であれば見破ることが簡単にできますね。
今回の例でいえば資産が1億10万円あっても、負債が1億円あれば、純資産は10万円です。
つまり本物かどうかは資産を見てもわからず、純資産を見ないと判断できません。
『年商〇億の社長』に気を付けよう
これによく似た現象があります(むしろこっちの方が身近に存在しています)。
それが、年商●●億円の社長、という表現です。
よくテレビでも、成功者として紹介する際に『年商10億円の社長!』というような表現を使いますが、これもある種の騙しに近い表現です。
『年商』というのは、その会社の売上高を意味します。
『年商の大きい会社=凄い会社』と扱われがちですが本来、会社の業績が良いか悪いかを判断するためには、売上高から費用を引いた、利益で判断をしなければいけません。
たとえ年商が100億円あっても、経費として110億円使っていれば、利益どころか10億円の損失です!
年商を大きく見せかけることは、非常に簡単です。
例えば自分の経営している会社で10億円の不動産を購入します。
そして、その不動産を10億円で売却しました。
これで年商10億円の会社です。
他にも、自分の会社で1000万円分の株式を買いました。
そして、その株式を1000万で売却します。
これを100回繰り返します。
これで、年商10億円の会社です。
これも会計学の勉強をしている人なら、すぐに見破れるトリックですよね。
先の情報商材詐欺の人たちよりも、年商●●億円社長の方が身近に溢れていると思いますが、そういったプロフィールをみると、『年商の自慢するなら、利益の自慢しなさい』と思う今日この頃です。
まとめ
いずれにしても簿記を勉強しておけば、総資産ではなく純資産、年商ではなく利益に本質的な価値があるということはわかりますよね。
ほんと簿記って素晴らしいですね(^^♪
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
相続税に関するお役立ち情報をLINE公式アカウントで発信していますので、興味ある方はどうぞ~♪