会計事務所の仕事って難しそう…

税理士事務所の仕事ってできるかな?

「会計事務所」や「税理士事務所」は現在人手不足で悩んでいる業界の一つです。求人サイトで検索をするとかなりの数の求人が出てくることからも、り手市場であると言えるでしょう。

しかし就職や転職を考えている方たちの中には、興味はあるものの業界のイメージで敬遠している方も少なくありません。

そこで実際この業界で働いてきた私が税理士・会計事務所の仕事内容と必要な能力を紹介します♪

これから税理士になろうと思っている方会計事務所で働きたいと思っている方は、ぜひ最後までご覧いただければ、仕事内容のイメージが掴めるはずです!

記帳代行とは?

求人に書いてある記帳代行ってなに?

記帳代行とは税理士・会計事務所の仕事の中でも最も多く時間を割く業務の一つです。

つまりこの業界で働く上で、ほとんど必ず携わることになりまが、内容が難しいので説明します♪

税理士のお客様である経営者の方は常にこんな事を考えています。

今うちの会社って現金いくら残ってる?

利益ってどれくらいあんの?

こんなときに、いちいち金庫や通帳を持ってきて確認するのは手間なので、その会社の状態を確認するためにある二つの資料を使います。

それが「貸借対照表(B/S)」と「損益計算書(P/L)」です。

「貸借対照表」は今自分の会社にどのくらい財産や借金があるのかを確認資料です。

「損益計算書」は今自分の会社はいくら利益を出しているのかを確認する資料です。

貸借対照表
損益計算書

ではこの二つの資料はどのように作るでしょう?

当たり前のことですが、この二つの資料は何もしないで急に湧いて出てくるものではありません。

この二つの重要資料を作るために必要な作業が「記帳」です!

「記帳」とは厳密には色々な意味がありますが、仕訳(しわけ)を切って保存しておくことと考えればオッケーです!

仕訳を仕切るってなんですか?

会社が事業を行っていると、常にお金や物が動くことになります。

八百屋さんでの売買
例です

八百屋さんからしてみれば、「トマト」という物がなくなって「お金」という財産が増えますよね?

でもこれって、売ったり買ったりした当日ならまだしも…1年前とかの取引や、数が多くなってくると、全部覚えているのは難しいですよね?

そこで人間は忘れないように取引をメモすることにしました!

このメモが「仕訳」と呼ばれています。(ちなみにメモをすることを「仕訳を切る」と言います。)

八百屋さんでの売買 仕訳

さてこのメモですが、色んな場所に書いていたらどこに何を書いたか分からなくなりますね…

それを避けるために、この「仕訳」を書くためのメモ帳を作ります。それが「仕訳帳」です。

簿記の世界にはこのような「○○帳」というものがたくさんあり、それをまとめて「帳簿」と呼びます。

仕訳帳
こうすれば単なるお金や物の動きが、見える化出来ますね。

帳簿にメモ(記入)することを略して記帳といいます。

さて、そうなると経営者の方はどう考えるでしょう?

仕訳とか分かんないから誰かやってくれないかな?

そこで出てくるのが我々税理士です。(その会社の経理の方が仕訳をする場合もあります)

つまり先ほどの「記帳」を代わりに行う(代行)業務こそ「記帳代行」です。

お客様から仕訳を切るために必要な書類(レシートや領収書等)をいったん預かってきて、仕訳を切る。

それをもとに「貸借対照表」と「損益計算書」を作成するまでが一つの業務です。

ということは…税理士・会計事務所で働く上で「仕訳を切る能力」は必須と言えるでしょう!

どうやったらその能力を手に入れられますか?

この能力は、税理士・会計事務所で長年働いていれば身につけることは可能だと思いますが、それよりも資格試験を受験する方が早いです。

有名なものは日本商工会議所が主催する簿記検定「日商簿記検定」と呼ばれるものです。

「日商簿記検定」は初級から1級までありますが、まずは2級を目標してみましょう!

2級を合格出来るレベルまで知識を養えば、ほとんどの会社の「記帳」を行うことが出来るようになるはずです。また就職や転職の際も大きな武器になりますよ!

記帳代行業務を実際に体験してみて

私が会計事務所に入社して初めて携わった業務がこの「記帳代行」です。

先輩や上司の方がお客様から頂いてきた資料を預かり、専用のソフトを用いて仕訳を切っていました。

私は入社時で「日商簿記1級」「税理士試験簿記論・財務諸表論」を取得していたため、ある程度簿記に関する知識はあったのですが、実務独特の難しさ(試験のように資料や数字が綺麗に与えられていない、使途が不明な出入金がある等)には悩まされました…

また仕訳一つのミスが、試験では数点減点になる程度ですが、実務ではお客様に間違った情報を与えてしまう結果となり、最悪の場合顧問契約の解約ということにもなりかねません。

恥ずかしながら、最悪のケースにはなったことはないですが、お叱りを受けてしまったことがあります…

そのような経験を経て、まず知識として資格試験を受験することは重要ですが、その後は実際に実務の現場に立って経験を積むことが非常に重要であることを実感しました。

税務申告書作成業務とは

求人情報の税務申告作成業務ってなんですか?

「税務申告書作成業務」とは、その名前の通り「税務申告書」を作成する業務です。

事業を行っていると様々な税金を支払わなければならないのですが、その中でも「法人税」と「所得税」という大きな税金(この他に「消費税」がある場合もあり)があります。

税金は大きく2つにわけることが出来ます。

それは、

「自分で計算して納税する税金」「国や市区町村が計算した金額を納税する税金」です。

後者の方は「住民税」や「固定資産税」が有名ですね。

さて、「法人税」や「所得税」がどちらかというと、「自分で計算して納税する税金」です!

申告納税、付加課税、税金の計算ってどうやるの

日本の税金制度は良くも悪くも非常に複雑なものとなっています。

税金の計算なんて出来ないから、誰か代わりにやって…

そのような方に代わって税金関係の手続きを行う(税務代理といいます)ことが出来るのが、我々税理士です。(税理士以外が行うことは犯罪です!)

税金関係の手続きは「申告」と「納税」の二つを押さえておきましょう!

納付書

納税とは「納付書」を使って、実際に税金を納めます。

申告とは「私が納める税金はこの金額です!」と税務署等に伝えることです。

僕が払う税金は10万円です

伝えるといっても、税務署に足を運んで窓口の人に口頭で伝えるわけではありません。ではどのように伝えるのか…

その手段が「申告書」です。

「申告書」とは、その人が納めるべき税金や、その税金をどのように計算したのか等の情報を記載した書類のことで、その書類を作成し提出することで伝える(=申告する)ことが出来ます!

「税務申告書作成業務」とは、税金を納める人に代わって、これらの書類を作成することです!

確定申告書
税金の知識が必要なら税理士にならないといけないの

税理士・会計事務所で働いていく上で、税理士の資格を取得するかしないかは非常に大きな分かれ道となります。

当然ながら、税理士の資格は無いよりあったほうがいいでしょう。

しかし実際の現場は、税理士は少数でその補助者として多くの従業員の方たちがおり、その補助者の方々が申告書を作成し、税理士がチェックするという流れが多いので、税理士資格が無いからといって仕事が出来ないというわけではありません!

とは言ったものの税金の専門家として一定以上の知識はどうしても必要になってきます。

働きながらある程度覚えることもできますが、仕事に余裕が出てきたら税理士試験を受験するのもいいでしょう。

事務所によっては、税理士の資格を持っていると手当がつく場合もあります!

税務申告作成業務を実際に体験してみて

私の場合、税務申告作成業務は入社してすぐに携わったものでなく、前述した「記帳代行」をある程度の量行った後に、ようやく携われたものでした。

入社前から法人税や消費税の勉強をしていましたので、申告書の作成については特に問題なく行えたのですが…

一番困ったことは申告書を作成するうえで必要となる情報がどこにあるか分からないことです。

この情報はお客様のもとに伺い「このような資料はありませんか?」「この数字はどこから来たものですか?」等の質問をして取得するのですが、何を質問したらよいのか分かりませんでした。

この問題の改善点は、業務に慣れるということもありますが、それと同時に「社会で使われている書類が何を意味するものなのか」ということを常に意識しておくことが重要です。

例えば「見積書」という書類がありますが、

見積ってことは物を売った側が発行した書類なんだろうなー。でもあくまでも見積だから、ここに書かれている金額はもしかしたら実際の取引価格とは異なっているかもしれない!

実際の取引価格が分かる書類はありますか?

お客様と良好な関係を築いて、このような質問をしやすい状態を作ることが重要です。

本当に必要な能力

これまで「記帳代行」と「税務申告書作成業務」という、税理士・会計事務所の業務の中で特に重要なものを紹介してきました。

これらの業務を行う上ための知識はとても大切です!しかしそれだけで十分とは言えません。

もう一つ、養っていかなければならないものがコミュニケーション能力です!!

ここで言うコミュニケーション能力は、「面白い話が出来る」とか「太鼓持ちが上手」というものではなく「自分の持っている専門知識を、しっかりとお客様に伝えることが出来る能力」です!

書類をしっかり作成すれば、別に伝えなくてもいいんじゃないの?

確かにそれらの仕事は間違いなく、しっかりとしたものでなければなりませんが、お客様はどのようにして、その申告書等がしっかりしているものか分かるでしょうか?

我々が申告書を作成する上での根拠を丁寧に伝えることで、お客様に「自分の申告はしっかりと出来ているんだ!」と安心していただけます!

税法を理解してもらうためには、難しい文言や表現を避け出来るだけ簡単な言葉にする、分かりやすい例えを用いる等、様々な工夫が必要です。

この能力は一朝一夕で養われるものではなく、長年の経験が求められると思います。

お恥ずかしながら、私自身まだまだやらなければならないことばかりです…しかしせっかくこの仕事に就く以上、お客様には出来る限り安心していただきたいです♪

まとめ

今回は税理士・会計事務所の主な業務内容と求められる能力を紹介しました。

この仕事は、芸能界のような華々しさはほとんどありませんが、非常にやりがいのある仕事です!

未経験の方でも努力次第でしっかり仕事を覚えることも出来ますので、皆さんには悪いイメージを払拭していただき、少しでも興味を持っていただけたら幸いです♪

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